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【#MyFirstBike】シンプルだけど、懐深く。

「初めての一台の話を」とお題をいただきまして。

そうですねぇ、私の場合はサークルズに足を踏み入れるキッカケとなった一台がそれにあたるのかなと。

大学在学時に、先輩が乗っているシンプルな自転車に「なんだこれは?!」と自身のアンテナが引っかかり、自分なりに色々調べて手に入れたのが当時中古で手に入れたVIVALOのトラックフレーム。トラックバイクブームの全盛期がやってくる少しだけ前といった頃でしょうか。キラキラのラメが散りばめられたいわゆる競輪フレームっという感じの自転車。しかも当時はエアロパーツをゴリゴリに装備した車に乗っていて、その車に自転車を積んでサークルズに「ブレーキを付けてください」と持っていったものだから、当時お店に立っていた田中さんや、デイジーメッセンジャーSALさんにはチャラいやつが来たと思われたことでしょう(笑)。

とにかくシンプルで、踏めば素直に進む感覚に夢中になって、のめり込むのに時間はかかりませんでした。縁があってパートタイムでメッセンジャーの仕事をすることになり、またそれまでは片道1時間ほどかけて電車で通っていた大学にも自転車で通うようになり、「定期代もかからないし、終電も気にしなくて良いし、なんて最高なんだ」と、お金はないけれど時間だけはある学生でしたので、どこへ行くにも自転車でという考えを持つようになったわけです。

だったらギア付きでいいじゃんという声も聞こえてきそうですが、何よりそのシンプルさに惹かれていましたし、あくまで通学やバイト、メッセンジャー業務で使うベースがあっての自転車だったので、結果これがしっくり来ていたんだと思います。(ちなみに、サークルズでアルバイトしたいと言った当時はSTIレバーを満足に操作することもできませんでしたが笑)

当時はアーレーキャットだったり、バンキンというグラスルーツのトラックレースをやっていて、もっと速く走りたいという思いから頑張ってバイトして手に入れた FUJIのTRACK PROというアルミフレームのトラックバイクがサークルズで初めて買った自転車です。そうです、ここでも私はギアードではなくトラックバイクを買ってしまいました。

この自転車では色んなメッセンジャーレースやアーレーキャットに出たり、思い出がたくさんある自転車で今でももちろん手放せないのですが、当時若気の至りでマジョーラカラーという光のあたり加減で色味の変わる特殊なペイントをしたので、今ではもうオリジナルのペイントの面影を残していないことは今更ながら少し後悔しています(笑)。


といった具合に、私の#MyFirstBikeはトラックバイクだったわけですが、広く見るとシングルスピードの自転車というところでしょうか。もちろん変速があればもっと行動範囲は広がったかもしれませんし、荷物積載してツーリングなんてのもできたかもしれませんが、自分によっては良い出会いだったと思います。

思い返せば、小学校・中学校の頃にママチャリで隣町へ行ったり、釣竿持って片道20kmの道のりを走ったり、今となっては大した距離じゃないかもしれませんが、当時の自分にとっては大冒険でしたし、漕げ続ければ何処へでも行けると子供ながらに自由を感じることができたのが自転車でした。その原体験に近い感覚があったこともまた大きな影響があったと思います。

なので、個人的にはシングルスピードでも十分に行動範囲を広げることはできるし、シンプルが故にトラブルも少なかったり丈夫であることは、これから自転車を始める人にとって背中を押してくれる要素じゃないかなと思います。

そんな私が、特に日常生活を中心に置いて自転車と付き合っていきたいと思っている方に #MyFirstBike としておすすめするのは、こちら!


先月、取り扱いのご案内をしたばかりのカナダ・モントリオール発のBASSI BIKESのシングルスピードバイク、Bloomfieldです。

一般的なシングルスピードのバイクは700Cホイールを想定していることがほとんどですが、このバイクは650Bホイールをベースに設計されており、それ故にタイヤ幅は必然的に太めのチョイスとなります。私が乗っていたようなトラックバイクと比べるとはるかに太いタイヤを履かせることができるわけです。

これは特に通勤通学など日常的に使う方にとって心強い仕様で、ちょっとした段差なども気にせずに走ることができ、スピードを気にせずのんびり街をクルージングするなんてのも得意なバイクだと思います。

フロントラックや、フェンダーを取り付けるアイレットも装備されているので、必要に応じて機能拡張できる点も個人的にはポイント高し。

FirstBikeという意味では、写真のようなフラットバーや、手前に返ってくるようなコンフォートなハンドルバーでアッセンブルのがもちろんピッタリですが、将来的には少し幅広のドロップバーにして、のんびりでありながらもある程度の距離も乗れるようなアッセンブルにしても良いですね。シングルスピードゆえ、将来的なハンドル交換も比較的しやすいのでその辺りもポイントです。

無駄なものを削ぎ落としたシンプルさがシングルスピードの魅力ではありますが、FisrtBikeという点では、多少の太いタイヤが履けたり、機能の拡張性を持たせてあるなどといった懐の深さは非常に重要です。そういう意味でこのバイクはとてもバランスが取れていますし、このバイクを生み出したBASSI BIKES、そのベースとなるカナダ・モントリオールのバイクショップ C&L Cycles の考える、移動手段として、そしてその先のファンツールとして末長く楽しめるの自転車を作りたいという意思が現れていて、私もそこにとても共感できます。

この春からの新生活に、日常生活のツールとして、そしてそこから世界を広げていく最良の相棒として。BASSI BIKESのBloomfield、とてもおすすめです!

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Ikeyama Toyoshige
池山 豊繁

Circles / SimWorks / CWD 学生の頃のメッセンジャー・サークルズでのアルバイトを経て、今に至る。 サークルズスタッフ最年少を公言していたが、今ではニュージェネレーションも加わり古参の存在。 でも身長は最小です(#163cmですがなにか)。 CXレース経験もありますが、今はのんびり瀬戸のグラベルを走ったりするのが専らで、過去の面影はどこへやら。自転車で釣り場にアプローチするBikeToFishingのスタイル研究にも余念がない。
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