Circles Tokyoに展示している車体の中でも一際存在感を放っている2台があります。きっとご来店いただいたお客様なら必ず吸い寄せられてしまった経験があるのではないでしょうか?
今回はそんな2台のご紹介です。
SEVEN CYCLES
アメリカ文化発祥の地ボストンには過去から現在までに数々のハンドクラフトバイクメーカーが存在していますが、その中でも高い技術力と組織力で年間2,000本近くのカスタムチタンバイクを生産するという際立った能力を誇るのがSEVEN CYCLESです。独自に採用しているフィッティングメソッドで生産されたバイクは、多くのサイクルエンスージアストを惹きつけ、そしてサイクルスポーツの次のステップへと確実に導いてくれることでしょう。
SEVEN CYCLE MantaRay
Circlesでは初めてオーダーしたモデルになり、国内版カタログにもまだ掲載されていないSEVEN CYCLEの新しいモデルとなります。おそらく、国内でもご覧いただけるのはCircles Tokyoのみのはず。今回はそんなスペシャルなモデルをまずはご紹介いたします。
今回このMantaRayというモデルをSEVEN CYCLEが作るにあたってまず最初に行ったのは、グラベルバイクの既成概念をまっさらに戻し再構築を行うこと。目標としたのは軽快に登り安心感を持って下り、スプリント勝負を制する反応の良さを持ちながら200マイルの砂利道を快適に走る。つまりは硬さと柔らかさという相反する要素の両立です。
結果出来上がったのは、非常に低い位置に溶接され振動を吸収するシートステイと、踏力を推進力へと変えれる剛性を求めてBBの上に作られたトラス構造を持つ独特なデザインのフレームでした。
そんな贅沢なチタンフレームにアッセンブルしたのはCHRIS KINGが誇るGRD23ホイール。先日のブログでもレビューしておりますが、振動吸収性に優れる素材を使ったこちらのホイールはオーダー時に一番に決めていたパーツ。どのような路面においても乗り心地の良さとトラクションを稼ぎMantaRayの性能を引き出すことでしょう。
44Tのフロントシングルのロードクランクに組み合わせるのは、SRAMのGX10-52Tというスーパーワイドレンジなスプロケット。個人的にもこの組み合わせを採用していまして、トップもギア比4.4と踏めますし、ロー側は0.85とどんな急坂でも対応できるので、MantaRayのコンセプトにぴったり。
ちなみに46Tのチェーンリングに変更すれば、4.6-0.88とシングルにも関わらず、フロントダブルのクランク50/34T+スプロケット11-36Tよりもワイドレンジになるので走る場所によって変更するのもおすすめです。
その結果オンロード、河川敷にあるフラットダート、路面の荒れた林道、シングルトラックといった様々な場所をシームレスに行き来できる一台に仕上がっております。
SEVEN Axiom SL
一番オーダーをいただくことが多いAxiomですが、今回は上位グレードのSLでオーダー。SEVENオリジナルのチタンチューブをエクスターナルバテッド(チューブの外側を削る)をされて生み出されるアルジェンチューブを使用。
通常のハンドメイドバイクは、ビルダーがあらかじめバテットしたチュービングを仕入れて溶接しますが、SEVEN CYCLESは、オーダーごとにそのユーザーの乗り方に合わせて自社でバテットする設備と技術を持ち合わせている特殊な工房です。このこだわりだけでも、SEVEN CYCLESがどんなバイクを目指しているかがお分かりいただけるでしょう。
コンセプトは「とにかく速く、どこまでも遠く、永く走れる」というシンプルなモノ。乗り心地の軽快な走り、長時間乗っていても疲れを感じにくいしなやかさ、今後永く乗り続けていくための耐久性を元にオーダーしました。思い描く細かい仕様を形にしてくれるのがフルオーダーハンドメイドの真髄ではないでしょうか?
またオプションであるMoto 3D Seat Staysをオーダーに入れております。こちらは美しくS字に曲げられたシートステーに3次元的な曲げ(真横から見ると少しくの字に曲がっていることがわかります)とバテッド加工を追加するというもの。多方面からの入力をいなし、フレームの剛性や重量を損なうことなくトラクションを確保するまさにチタンの特徴を知り尽くしたSEVENだからこそ可能な加工といえます。
パーツを選ぶのに迷いはありません。MntaRayと同じくヘッドパーツとBBはメンテナンス性に優れたCHRIS KINGを選択。非常に高い精度で製造されているため優れた回転性能、耐久性も備えています。
ホイールはCHRIS KING ARD44。高速回転する高品質なベアリング、パワー伝達、平坦ではない走路も難なく走る吸収力。CHRIS KINGが考えるロードホイールの最高峰を選択しています。
ドライブトレインは、SHIMANO Ultegra R8150 Di2を投入。フロントは50/34T、スプロケットは11-34Tでどんな坂道でも越えていけるような組み合わせに。ロー側が34Tと大きめでもクロスレシオが失われないのは12速化の恩恵ですね。自在にケイデンスを操ってとことん気持ちの良いライドができるのではないでしょうか?
是非、Circles Tokyoの店頭にてご紹介した2台を直接ご覧ください。