CMWC、WONDER HOPPERとイベント続きであちこち飛び回っておりましたが、久しぶりのBIKE of the WEEKということで、今回もMADEでのショーバイクにフォーカスを当てていきます。

DESALVO CUSTOM CYCLES / デサルボカスタムサイクルズは、オレゴン州アシュランドにてチタンフレームを中心にフレームビルディングに勤しむアメリカ西海岸を代表するTIG溶接マスター マイク・デサルボによるブランド。
MADEの前進とも言えるハンドメイドショー、NAHBS (ノースアメリカハンドメイドバイクショー) における数々の受賞歴が物語るように、彼の溶接技術を絶対的に信頼するサイクリストはあまりにも多いですし、NAHBS初期からずっとブースを出し続けていたNAHBSオリジナルメンバーの1人でもあります。
またUBI (ユナイテッド バイシクル インスティチュート) でのTIG溶接講師でクラスも受け持っており、後任の育成にも余念がないマイク、とにかく彼の正確かつ美しい溶接技術は多くの人から厚い信頼を得ており、個人的にはSEVENやMOOTSといった名だたるカスタムブランドに唯一対抗しうるビルダーではないかと思っています。
(DESALVOについては、ぜひこちらの記事もご一読ください。)

サークルズ創業当初、KYUTAIボスが初めてオーダーを入れた個人事業主のビルダーはマイクでした。つまり、サークルズで最も付き合いの長いビルダーなのです。
マウンテンバイキングやオートバイでのツーリング、そして冬はウインタースポーツを楽しむマイク、実は昨年の冬にスノーボードでクラッシュして骨折してしまい、長らく溶接ができない状況だったのですが、今回のMADEでは元気な姿を見せてくれました。



ここ数年はBicycle Crumbsとのプロモーション活動のおかげで現状はかなりのウェイティングを抱えている様子のマイク。加えて骨折のアクシデントもあって、日本のカスタマーのオーダーも長らくお待たせしておりますが、無事骨折から復帰したマイクは現在フルピッチで製作活動を進めております。(どうかもうしばらくお待ちください。)





今回マイクがブースに持ってきていた中でも個人的に特に惹かれたのがこのバイク。
これぞデサルボといえるシンプルなフレームにカーボンフォークをアッセンブルしたバイクは、700c x 35mmを履かせたチタンフレームのオールロード。
MADEでは、SimWorksもWandererというバイクをお披露目していますが、グラベルバイクというジャンルが確立して太いタイヤを履かせられるバイクが増えた中で、シンプルに距離を乗ったり、風を切って気持ちよく走ろうと思うとやっぱりこういうバイクが良いよねってなるわけです。
そして、この手のバイクを作らせたらマイクの右に出る者はいないんじゃないかっていうくらい、ディスクロードやオールロードが得意なデサルボらしさが詰まったバイク。





ショーバイクということもあってスペシャルなロゴスキームが際立ちますが、それでも飾りすぎず、基本見た目には拘らないマイクらしいシンプルなバイク。だからこそ各部の溶接に目が行きますが、その溶接痕の綺麗さにうっとりしてしまうのは僕だけじゃないはず。

そして、一度走らせれば素直に進んでいくバイクの仕上がりに誰もがうなる、それがDESALVOのバイクなのです。

イメージやルックスであったり、数値化されるスペックといった目先のこと以上に大切なのものがあるということは、自転車以外にも世の中のほとんどのものに当てはまると思いますが、マイクは一人のフレームビルダーとして真摯にモノ作りと向き合い、真摯にモノと付き合っていきたいという考えを持つ人に対してちゃんと選択肢はあるんだよって言いうことを示してくれます。
現状はウェイティングを消化している状況で、少し時間はかかってしまいますが、もちろんカスタムオーダーのご相談はいつでも承ります。待つという最大の辛抱ができる人こそが手に入れることのできる最上のバイク、気になった方は是非ご相談お待ちしております。