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自転車のライトってどうやって選んでる? – CATEYE VOLT400の話

最近流行りのコスパって言葉。本来の意味からは少し逸脱して、”性能は良いのに価格が安い”という場面でよく使われるように思います。カタログスペックと価格のバランスであればある程度簡単にコスパなるものが計れるけれども、本来の意味での、価格と価値のバランスを測るのは本当に難しい事だと思うのです。

必要な機能や、それに支払う事ができるお金の感覚は人によって様々なので、ネットでどこの誰か分からない人が「コスパ最強!」と言ってるのはあまり信用しないようにしているのだけど、今から自分も同じ事を言ってみようと思うので、半信半疑というか、自分の使用場面に当てはめて判断して欲しいです。

とにかく色々なものを壊したメッセンジャー時代

今でも自分が自転車やパーツを選ぶときの基準はメッセンジャー時代の経験に引きずられています。前回書いたPeak DesignのiPhoneケースとマウントも同様でした。

雨の日も風の日も休む事なく毎日100km程度を走り、休みの日にはレースやツーリングにも行く。そうすると本当に自転車の消耗が早いのです。同僚達も同様であり、体重や乗り方によっては嘘でしょ?ってぐらいパーツを壊す人(毎年2本ハンドル折るとか)もいました。

そんな過酷な使用環境で日々自転車のメンテナンスをしていると、だんだんモノの特徴や良し悪し、要不要が分かってきます。(不要だからダメってわけではなく、見た目や愛着の問題もあって実際はもっと複雑です。)

結局最初からこのライトにしておけば良かった

そんな中、自転車ライトで最終的にたどり着いたのが、キャットアイのVOLT400。当時はVOLT300でした。

タイヤやバーテープといった消耗品と同じくらいよく交換していたのがライト。都心を走るのにそれほど明るいライトは必要なく、2,000-3,000円ぐらいの安いものをデザインで選んで使っていたのですが、本当によく壊れて買い替えてました。

都心を走るだけでなくツーリングに行くようになり、発売間もないVOLT300を購入。当時はまだ高性能で高級なライトは少なく、一般的なライトの数倍の価格だったVOLTは当時の自分の財政事情からしたら一大決心だったように思います。

とにかく頑丈で壊れないし、いつでも電気が点く

当時ちょうど伊豆半島をよく走り回っていた頃。最初はあまり考えずに、ちょっと明るくて点灯時間が長そうなものとして選択しました。

そして、それを使用していくに従って、当初欲しかった性能とは別の部分でVOLTに対する信頼度は上がっていく事になります。それはつまり、頑丈で壊れないこと、そしていつもボタンを押せば明かりが点く事でした。

何を当たり前の事を…という感じではあるけど、こういった基本性能の高さを改めて実感するというのは並大抵の事では無いのです。

いつでも点くというのは、バッテリー性能の事。いつ充電したか分からないまま家を出た時に、電池が切れたという場面が非常に少ないのです。もちろんそれは、ボタン電池から自然放電の少ないリチウムイオン電池に代わったからという理由もあるでしょう。

なんでそんなに強いのか – CATEYEに聞いてみた

これらの印象は数字的なスペックではなく、これまで自分で使って壊してきたライトとの感覚的な比較です。実際のところどうなのか、キャットアイの担当者と話す機会があり聞いてみたので要約してみます。


Q: 製品の耐久性についての考え方はどのようなものですか?

A: 製品保証期間を2年としているので、その間に屋外で使用して壊れないようあらゆる状態でテストを行い、全てクリアしないと製品化しません。VOLT400はIPX4の防滴(水没はNG)性能があります。

Q: その耐久性を実現する工夫はどういったところにありますか?

A: ランプを自社設計し、その技術と経験を蓄積している事などが関係します。

Q: バッテリーについて特別な工夫はありますか?

A: しっかりした製造元の物を使用し、その仕様書以上の使い方をしない設計になっています。長期間使うと差が出ることがあるかもしれないです。


詳細は企業秘密的な部分があって伏せられているけれど、行間も含めて、基本的なやるべき事をしっかりやっているという意志を強く感じる事ができました。基本性能として”当たり前に備えている強さ”がある事は、日東やMKSの製品と通底している思想を感じます。

自分のVOLT300は、購入8年目に自分でカスタムしようとしてブラケット部分を壊してしまいましたが、それがなければ今でも十分使えていたでしょう。

高耐久だから結果的にコスパが良い、と現代的な解釈でももちろん言えるのですが、壊れない事と常に灯る明かりは、絶望するような暗闇の中を一緒に進んでいく時に頼りになる相棒であり、コスパというより、信頼で愛用している道具のひとつなのです。

暗い山道ではVOLT400とヘッドライトの2灯体制

VOLTシリーズはキャットアイの主力製品として様々なバリエーションがありますが、私のおすすめは通常のVOLT400です。

夜間レースに出たりするのであればより明るいライトが必要ですが、都市部であれば400ルーメンで十分ですし、夜間ツーリングなどで街灯のない道や林道などを走る場合には、一つの明るいライトよりも2灯ある方が遠近感がつかみやすくて良いです。特に視線と連動するヘッドライトとの併用をおすすめします。

暗い峠を走る時はこんな感じ。それほどスピードを出さなければこれがベストだと思います。

乗る自転車は色々と変わっても、手元にあるライトはずっと同じキャットアイのVOLT。壊れないしへたらないからずっと使い続け、諸所の暗闇を共にしてきました。なかなかコスパという基準では測れない、信頼している道具のひとつです。

CATEYE Volt 400

使用電池:
Li-ion 3.6V 2200mAh

使用時間:
点灯(ハイ):約3時間
点灯(ミドル):約8時間
点灯(ロー):約18時間
デイタイムハイパーコンスタント:約11時間
点滅:約60時間

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武井良祐

もんじゃです。CirclesやSimWorksのWEBまわりを担当しています。その他にバイクロアを開催したり、駐輪サービスCYCLE CLOAKなど色々やっています。祭りや建築、温泉、山、イベントなど面白い目的地を目指してライドに行くのが好きです。
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