Mike Desalvo/マイク デサルボ。泣く子も黙るTig溶接の名手は、UBI(マコさんも通っていたオレゴンにあるビルダー養成学校)でTig溶接のクラスを教えながらビルダーの卵を育て、その傍らでは常に20本のバックオーダーを抱え、年間100本近いオーダーフレームを作っている。そしてたまにOEMでの製作もこなしてしまうような確かな腕と確固たる信頼の置ける男である。
何やら今年は大きな変化がみられるようです。個人的にシンプルなスクリプトのロゴは大好きでしたが、変化を恐れない気持ちも大切だなと気付かされる。
とは言っても、それはあくまでペイントという見栄えの部分での話であり、極めてシンプルなデサルボが作るバイクに変わりはありません。綺麗な溶接痕を残すフレームは、バイクとして完成させるとそれはもう驚くほどよく走るのです。
そんな彼が、ショーの準備で忙しくなる前に送ってくれたフレームは、デサルボらしい、シンプルながらにしっかりと彼らしさを感じ取ることのできるバイクとなって完成しました。
44mmのヘッドチューブが増えてきた中で、オーバーサイズのヘッドチューブを用いたチタンのフレームは、ロードバイクが本来持つ、遠くへと走りに出かけることの楽しさを純粋に感じさせてくれます。
レコードにおける「名盤」と言われるものを自転車のリムで例えるならば、マヴィックのオープンプロが名盤だという声は少なくないのではないでしょうか。32Hでしっかりと丈夫に組んだホイールは程よく軽さも持ち合わせ、どこへでもペダルを漕いでいけるという気持ちにさせてくれます。
一つの価値にとらわれず、「速くても遅くても」自転車を道具として使いこなす人々が考える思いをしっかりと理解し、その身体に対するフィッティング、そしてタイヤサイズに始まりその人が求める乗り方のイメージや、色目やデザインに至るまでを丁寧に足し算して作られるものは、いわゆるトレンドと呼ばれるような、商売っ気のある思惑とは別次元のもとに成り立つものであり、そういった自転車というものを通じて生まれた人と人との繋がりは、時として性能という概念を超越した存在になり得るのです。
そしてその事実こそが、長い年月をかけてカスタムバイクと出会うことの最も重要なポイントなのだと強く思います。
私たちは既に出会ってしまっているのです。
Frame | Desalvo Custom Cycles | Ti Road |
HeadSet | Chris King NTS | Silver |
Crankset | Shimano Duraace | FC-9000 50/34T |
BB | Thread Fit24 | Silver |
Brake | Shimano Ultegra | BR-6800 |
Brake Lever | Shimano Ultegra | ST-6800 |
FD | Shimano Ultegra | FD-6800 BRZ |
RD | Shimano Ultegra | RD-6800 SS |
CS | Shimano Ultegra | CS-6800 12-27T |
Rims | Mavic | Open Pro 32H |
HUBS | Chris King | R45 |
Tires | Continental | Grandprix 4Season 700-25c |
Handle | SimWorks By Nitto | Misirlou 410mm |
Stem | SimWorks By Nitto | Rhonda 110mm |
Seatpost | Thomson | Elite |
Saddle | Brooks | Cambium C15 |
Bar Tape | Brooks | Leather |