一瞬で通りすぎた時間でした。
残るのは多くの記憶と日に焼けて痛む肌と転倒の傷跡。
渡米の疲労も回復してきたところで、何かお伝えできればとキーボードを叩いております。
まずは、Sea Otter Classic / シーオッタークラシック 会場散策編。
シーオッタークラシックとは、ラッコがモチーフになっていることでお馴染みの、自転車シーズンの幕開けを告げるアメリカ最大級の参加型イベントです。
プロからアマチュアまで参加でき、内容もグランフォンドに始まりシクロクロス・ロード・ダウンヒルなどなどと多岐に渡ります。 七万人を越えると言われる来場者を目当てに各メーカーともこの場に合わせて新製品の発表を行うことも多々あるのです。
そんなイベントを歩き回ると見えてくる自転車界の流れは電動自転車が絶好調だということ。
ほぼ全てのマスプロメーカーは、こぞって電動自転車を用意しアピールしています。
我らがKonaに始まり、Pivot、ジャイアント、フォーカス・・・などなど
数え切れないほど存在していました。
電動への賛否両論は人それぞれあるとは思いますが、これはもう大きな波であり避けることなどできず、今後の自転車界には電動が溢れていきます。
ならば、その有効性を見極め力にしていくとしましょう。
電動といえば圧倒的なアシスト力が全てです。
多くの人がかなりの激坂を難なく登れるようになります。
これがあれば体力的に厳しいトレイルやライドに挑む事ができるようになり、より多くの人が自転車をスポーツとして楽しむ事ができるようになるのです。
それは、とても素晴らしい事ですね。
ただ僕は、電動のまず最初の一歩ととしては、運搬車にこそ生きるのではと思うのです。
Konaにあったこの一台と、
そしてSycipの手がけたこの一台。
どちらも自転車の機動性を生かしつつ、電動の恩恵も余すことなく受けられる一台です。
まずは、試してみたいですね。
さて、もう一つ会場で目についたのは、始まったタイヤ戦争です。
昔からある、ミシュラン、シュワルベ、WTBなどなどはもちろん、先ごろ自動車のタイヤで有名なピレリが自転車タイヤの製造を始めたのに始まり、新たな挑戦者として登場したのがGoodYear。
黒いタイヤサイドに大きな文字がアピールしてくるのも特徴そのままに自転車界に登場し、ラインナップもオフロードからオンロードまで多岐に渡りやる気満々です。 日本にいつ入荷してくるののかは、わかりませんが楽しみです。
シーオッターといえば、新製品の発表も多くそちらもワクワクするのですが、まずはやっと情報公開されたこちら!
Surly LowSide
1×1がなくなって、心配されていた方も多いと思いますがこれでもう一安心。
生まれ変わったLowSideは、シングルもギヤードもこなしつつサスペンションも使用可能。
タイヤサイズにもゆとりがあり、まさに、なんでもやってみる事ができるSurlyらしい一台となっています。
そして自転車界に爆増するグラベル系バイクも盛りだくさん。
All-city Gorilla Monsoon
Niner Bikes の展開するフルサスペンションのグラベルバイク。
Kona Libre
夏ごろに販売になる予定の新型グラベルバイク。
ボトルマウントなど5カ所ありグラベルライドにもってこい。
そして、もう一台は、BreezerのDoppler。
Breezerが展示する彼らの旅バイク。
取り付けられたタンクが素敵です。
バイクパッキングから始まった、グラベルバイクの流れはとどまることを知らず。
ロードやクロス、MTBを押しのけて、なんでも使える自転車筆頭となり最初の一台は、グラベルバイクからとなっていくようです。
会場には、多くのスペシャルバイクも展示されています。 まずは、Squid Bikes / スクウィッドバイクスによる、ポールとシェラネバダのコラボバイク。
Danny MacAskill / ダニー・マッカスキル のフルカーボントライアルバイク
これはサンタクルズが彼のためだけに作った、ワンオフバイクです。
Sramブースに展示されていた、SPEED VAGEN / スピードバーゲン。 650x47Bの太いタイヤでどんな路面も気にせず、通ったことのない道にも積極的に行ってみたいと思える、これぞ新しいロードバイクの形。
などなど、一日中、足を棒にして歩き回っても次から次へと何か出てきます。
出てくると言うと新製品ばかりな気もしそうですが、そこは参加型イベントですからライドイベントにも突然誘われます。
会場内で自転車を押しながら歩いていたら、
「ねえ、ハンス・レイとトレイルライドに行かない?」
と藪から棒に誘われます。
ハンス・レイ。
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あのハンス・レイ?
僕世代には、キュンキュンする元世界チャンピオン。
小一時間のライドだって言うし、じゃあ行って見ますかってことで半信半疑で待っていると元世界チャンピオン登場。
「マジか、本物や。」
シグネチャーモデルが販売されていたほどのスーパーライダーも時が経つとただのおじさん。
でもとっても気さく。
写真撮影も快く応じてくれます。
走ったトレイルは、会場の裏手の山に位置するのですが、カリフォルニアらしい背の低い草原を走り抜けていきます。
小一時間ほどのライドながらトレイルはとても楽しく、時差ボケを吹っ飛ばすにはちょうど良いライドでした。
向こうのトレイルを走るといつも思うのですが、自分の知らないトレイルを走るのはとても楽しく新鮮でいろいろなことを考えるきっかけになります。
いつか、この思いを皆様にも味わっていただきたい。
なんとかアメリカツアーでも企画してみたくなります。
「行ってみたい!」と思う方、ぜひ声をかけてみてくださいね。
さあ、駆け足でご紹介させていただきましたが、次回はSea Otter Classicレース参戦編。
海外レースへの参戦に浮き足立った僕の姿をご覧頂ければと思います。
それでは、また次回。
よろしくお願いします。