一瞬で通りすぎた時間でした。
残るのは多くの記憶と日に焼けて痛む肌と転倒の傷跡。
渡米の疲労も回復してきたところで、何かお伝えできればとキーボードを叩いております。
さあ、過去二回の「Sea Otter Classic 会場散策編」「Sea Otter Classicレース参戦編」に続きアメリカツアー2018の最終回となります「アメリカ西海岸 探訪編」とまいりましょう。
シーオッターに大きな思い出を残し仲間達と別れ、我々は一路南へと舵を取りました。
僕自身あまり訪れたことのないサンタクルズより南のカリフォルニア。
南北に1200kmもの長さがあり、南に行くとその植生や気候も大きく変わってきます。
まずはサンタバーバラを目指したのですがそのルートどりが肝心です。
早く行くだけならハイウェイ101ですが、多くの仲間達がハイウェイ1を行けと言うのです。
そこには最高の景色が広がっているからと言うのです。
そんなことを言われては、もともと放浪癖を持つ僕が抑えられるわけもなく一路海沿いからサンタバーバラを目指したのです。
そこには、最高の景色が広がっており3年半前のカリフォルニアツーリングを強く思い出します。
途中で太平洋に沈む夕日を眺め、もう一踏ん張りと思ったところにそれは突然現れました。
「ロードクローズ」
目を疑います。
完全に行く手を塞ぐフェンス。
聞き込みによると、一昨年の大雨により崩れ埋まってしまった道の修復が終わっておらず、通れませんとのこと。
さあ、引き返すか?
同じ道を通る・・・あまり好きではありません。
OK。
山越えになってしまいますが、迂回路を選びましょう。
今思えば笑い話ですが、あの細くうねうねした道、米軍基地をかすめるように通る道、ドキドキが満載でした。
途中の街で、休息を取り翌日サンタバーバラへ、そしてロサンゼルスへと向かいます。
サンタバーバラ。
そこは僕たちが敬愛するChrisKingの元工場があった町。
そう、素通りなどできない町なのです。
時代は移りゆくものですから当時から世界に向けて最高の製品を作っていたChriskingの工場も、美味しく素敵なパン屋へと姿を変えていました。
最後の写真が、キングの元工場です。
何か面影をと探してみましたが、特には見つけることもできませんでした。
でも、これもアメリカらしいと思うのです。
機械工業の工場跡地が建屋を残したままパン屋に変わる。
日本では、あまり聞きませんよね。
大きかったであろう工場も、中が分割され小規模なお店がたくさん入っていました。
町並みを激変させぬようあるものを長く使っていく、素敵なことです。
さあ、パンで腹ごしらえの後に目指すのは、アメリカで二番目の人口を誇る大都市ロサンゼルス、近づいただけで大渋滞の洗礼を受けます。
ロサンゼルスは、アメリカでも車の使用率が高い街。
当然と言えば当然です。
そんな人生で一二を争うほど嫌いな渋滞をくぐり抜けてまで目指したものは、一軒の自転車屋でした。
陽気で面倒見のいいスタッフと自転車をこよなく愛するお客様。
その両者が、リスペクトしあい生まれている空間は、それはもう心地の良いものでした。
店内を覗いていると自転車乗りたいオーラが出ていたのか、オーナーのカイルが翌朝のライドに誘ってくれました。
もちろん断る理由はありません。
でも話をしていると少し疑います。
店から自走で行けるトレイルで全行程2時間くらいというのです。
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ここは、大都会ロサンゼルス。
自走で行けるトレイル。
まあ、大したことはないであろうと舐めていました、完全に。
でも向かった先にあったのは、立派なトレイル。
運転疲れでなまった体には心地よいどころかちょっとしんどかったです。
朝の通勤ラッシュの上を走るのは、なかなか乙なものです。
2時間しっかり走って店に戻ったら、即開店。
国は違えどもやってることはあまり変わらなくてホッとします。
この後、僕らは僕らのルートを回ります。
Cub House に行ったり。
SWRVEに行ったり。
映画会社に古い自転車を貸し出してる自転車屋さんに行ったり。
むちゃむちゃでかい自転車屋さんに行ったり。
もう、朝から晩までひたすら動き回っておりました。
おかけで宿に戻ればバタンキュー、あっという間にツアー最終日を迎えます。
この日は、午前中は動き回り、夕方よりライド。
がっつりライドです。
このライドが、今回のツアーで一番楽しみにしておりました。
ロサンゼルスより車で移動、移動車はこちら。
ふふふ、気づきますか?
彼とのライドは2年ぶり、胸が高鳴ります。
車で少しいけばすぐに最高のトレイルが存在するのは、いつものこと。
今回は、彼らの楽しむ姿勢にいつもながら感動します。
長い登りもおしゃべりしながらな結構あっという間。
そして、遊ぶところを見つければ、遊び倒します。
自転車がどうのとか、格好がどうのとか、最近乗ってないから・・・
とか、そんなの一切ないのです。
その時、自分ができる目一杯を楽しめば良いのです。
僕もそうなろうと夕日に誓い、今回のツアーは幕を下ろしました。
期間は1週間しかありませんでしたが、非常に中身の濃い旅でした。
まだまだアウトプットしきれていませんので折に触れ皆様にお伝えしていければと思っています。
さあ、いろいろ楽しくなるぞ〜〜!!
乞うご期待です。