Surlyから販売されている多くのリムにはこれでもかと言うぐらい穴が空いている。
例えばこんな感じ。 写真はRabbit Hole Rimというモデル。
リムの真ん中に大きな穴が、30個(リム1周)。
その上下に小さな穴が、上32個、下32個で計64個。
全て合計すると96個の穴が空いている。
その用途は、以下の写真のようになる。
軽量化の穴は、簡単。
重量が重くなりがちなファットやセミファットのリムを軽くするため、これだけ大きな穴だと効果絶大。
でも、謎が残るのはニップルの穴。
何故64個も空いているのでしょう?
ハブの穴数は、いろいろあるとはいえ、このリムに適応するのは32Hのハブ。
つまりスポークの本数は32本だから穴も32個で十分なはず、でも穴数64個これいかに。
この謎にこそ、Surlyの「良い塩梅」が現れているのである。
答えは、以下の写真に、
①前輪
②後輪
みなさん、この違いわかりますか?
前輪は、互い違いに穴が使用されていますが、後輪は、片側一列が使われています。
前輪は、互い違いの穴を利用することによりスポークの間隔をあけしっかりとしたホイールに。
後輪は、片側に寄せたスポーク穴を使うことでリムをオフセットさせて左右非対称なハブのスポークテンションをできる限り揃えられるようにする。
そんな目的が含まれているのです。
オフセットのリムは別段珍しいものではなく、DTやVelocityなど各社から販売されています。
では、何故Surlyのリムが面白いのか?
それは、一種類のリムに両方の性能を盛り込むから。
これなら、リム用の機械も一種類でいいし、元の材料も一種類ですむ。
結果、生産効率が良くなって値段は下がり、ユーザーは万歳!!
となるわけです。
Surlyの自転車各種にも通じるところですが、可能な限りにユーザーフレンドリーなのがSurlyの真骨頂ですね。
そんな車輪組のご用命いつでもお待ちしています。