自転車に乗っているときに思いつく、あったら絶対調子がよさそうだけど、世の中に見当たらないアイテムを “RAL” という名前で企画して作っています。
今回はその妄想が最もいい感じで仕上がった製品が出来上がってきました。
「調子いいメリノTシャツ欲しいな〜〜」とずっと思ってました。
メリノウールの Tシャツって、機能的な素材でとても良いのですが、多くがスポーツ(もしくは山)っぽいデザイン、カラーで個人的に(ハイキングカルチャーにコミットできてない負い目があるので)とっつきにくいってのもあったり、ベースレイヤーポジションのプロダクトが多いので、シルエットがアンダーウェアっぽくて1枚で着るにはなあ・・・ってところがあって、マイベストが中々みつからなかったんです。
また、サイクリングとハイキングと違うところと言えば「瞬間的に運動量が上がる、急激に冷える」という部分。
特に登坂時は心拍が上がって汗だくになって登るのに、くだりでは冷え切ってしまう。
この辺りの課題を解決しながら気持ちよく着られるもの作れないかな〜と、ライドしながらずっと考えてました(煩悩)
- 1枚で着られるシルエット
- 普段着でもライドでも使えるカラー
- 袖リブ(なんならここに1番こだわりたい)
- ウールリッチな着心地
- だけど、ある程度速乾性は欲しい
この辺が今回の開発ポイント。
企画してた期間含めると1年以上かけて出来上がったプロダクトで、よくわからん自転車屋のわがままに付き合って一緒に作ってくれたのはサンエースという岐阜の工場さん。担当の平岩くん(最近自転車に乗り始めてくれて嬉しい)とあーでもないこーでもないと意見を交換しながらやっと出来上がった製品です。
これでひとまずマイベストが作れたかな〜とは思うんですが、自転車を軸に人生が回っちゃってる人には絶対おすすめな商品です。
普段着で着られるように
しっかり後述もしますが、サークルズの記事を読んでくれている人たちには既にメリノウールの恩恵はご存じのはず。
色々なブランドから出ているし、パフォーマンスに特化したものや、ギミックにこだわっているものはぶっちゃけ出尽くしている感が個人的にはあったのですが、普段のうちらのテンションで着るにはちょっとばかりスポーティな仕上がりなものが多くて。
メリノTが普段のロンTのノリで着られたら最高だよな〜ってことで、一枚、または普段着とのレイヤリングでも調子良さげなシルエットで制作!
1番好きなボックスシルエット。丈はちょっと短め
これからの季節は一枚で。
シャツの下にもいい感じに着られて
冬〜厳冬期だったら、ボリュームのあるダウンジャケットの下とか、
ニットの下に着込んでも調子いいはず。90sっぽい。(あ、丈短いスウェットとかもかっちょ良さそう)
袖はやっぱりリブつきがいいよね。
首回りも普通のリブ叩きつけ。これが普通で1番いい。
いろんなコーディネートに合わせられるように、とりあえず 1st ロットはベーシックカラーのみ。でも、何色選んでもこの3色しか着なそうって感じの色を選んでみました。(左から、チャコール、ネイビー、オリーブドラブ)
ライドのお供に
もちろん、このプロダクトのメインシチュエーションは「ライド」
登りとくだりの体温調整問題を少しでも解決すべく、色々な生地や糸を検討しました。
メリノウールの特徴はこんな感じ。
メリノウールは、メリノ種という羊の毛で、羊毛の中でも最高級の素材の一つです。メリノウールは、吸湿性、保温性、抗菌防臭効果に優れています。
メリノウールの特徴は次のとおりです:
- 吸湿性が高いため、肌の水分を吸収して外気に発散し、涼しく感じさせます。
- 繊維が細く、しなやかで優しい着心地です。
- 保温性が高いため、冷たい外気から身を守ります。
- 繊維表面が水をはじくため、汗冷えが起きにくいです。
- 雑菌が付着しにくい性質で、臭いが発生しにくいです。
- 悪臭を吸収して中和する力が強いです。
- 汚れを付着させにくい性質で、洗濯せずに何日も着続けることができます。
- 断熱性に優れているため、夏は涼しく冬は暖かい特徴があります。
メリノウールは、その機能性からアウトドアファンの間でも人気が高く、特に秋冬のアウトドアレジャーには欠かせないアイテムとなっています。
GoogleのAIを使ってみました。
うむ。自分が知っていることと相違がなかったので、コピペ(手抜き)
メリノウールの着心地は好きだけど、速乾性がもう少し欲しい。それで耐久性も上がったら嬉しい。
わがままてんこ盛り。大盛り全部乗せ。
これどうやるか〜?なんて色々検討した結果(この時間が1番長かった)ウールと COOLMAX® / クールマックス®の糸使いがいいのでは?という結論に。
ご存じの方も多いと思いますが、クールマックス®とは? とAIに聞いてみたら
クールマックスは、アメリカのデュポン社が1986年に開発したポリエステル100%の吸水速乾繊維です。この繊維は、汗を吸収して素早く発散することで、涼しくてドライな着心地を保つことができます。
クールマックスは、毛細管作用により水分を吸い上げて蒸散させます。素材自体がひんやりするのではなく、体から出た水分(汗)を即座に吸い上げて蒸発させることで、クールな着心地をキープします。
クールマックスは、アメリカに本拠地を置くLYCRA社(ライクラ社)が取り扱う繊維の登録商標名です。多くのスポーツブランドやファッションブランドから愛用されています。
GoogleのAIを使ってみました。
うむ。自分が知っていることと相違がなかったので、コピペ(再)
そんなこんなで、この2種のブレンドがいいのでは?という仮説を立てて、ウール52%、ポリエステル(クールマックス®)48%の糸使いに決定。
毛玉になりにくい性質の糸を選んだので生地のツラもキレイ。
クールマックスを混ぜることによって、糸自体の耐久性が上がっているはずで、使い方によるけど、理論上はウール100%よりも長持ちするはず。
ということで、出来上がったサンプルを先日行ってきた4日間の「道東ツーリング」で着てきました。(ここ最近の記事でこのツーリングの話こすりすぎててほんとごめんなさい!)
テストサンプルレビュー
素材を決め打ちして、シルエットもいい感じに仕上がってきたので、先月行った 道東ツーリング でテストしてきました。日程4日間430kmのうち、3日間着続ける → 3日目に洗濯〜部屋干し → 1日中着ている。というスケジュールで敢行。
完全ソロでの旅だったので、着画がないのが恐縮なのですが、テキストで説明していきます。
個人の感想なので、全員に当てはまることじゃないと思いますが、参考にしていただけたら。
1日目:最高気温28℃、最低気温20℃
雨〜曇り〜のちに土砂降り(女満別空港 → 斜里町、全行程で80kmくらい)
空港に輪行で着いたタイミングでは雨が降っていたが、自転車組んでいる間に雨が止んで気持ちよく走ることができた。平坦なグラベルがずっと直線で続く道。そのため心肺は安定していたので、長袖の腕まくりで走り切ることができた。
長袖を着るには気温も高めで汗で濡れはするが、全然快適。
2日目:最高気温31℃、最低気温19℃
曇り〜晴れ〜のちに超晴れ(斜里町→摩周湖→屈斜路湖、全行程で140kmくらい)
晴れて気温も上がったのと、基本ずっとヒルクライムだったので、さすがのオーバーヒート。途中で脱ぐ。
湿度が低かったせいか、くだりの時に着ていたらほとんど乾いてしまった。肌に張り付きにくく、汗抜けも良い。半袖だったら完璧であった。
3日目:最高気温27℃、最低気温17℃
晴れ〜曇り〜小雨〜晴れ(屈斜路湖→釧路湿原→釧路市街、全行程で120kmくらい)
屈斜路湖〜釧路湿原はとても涼しかったので長袖日和。
登りで汗かいて下りで乾くの繰り返し。体温調節も1枚でできる。特に濡れないレベルの小雨の時は気持ちよかった。
20℃以下で1枚で着ている時の機能性を感じる。ただ、さすがに3日着続けるとちょっと気持ち悪さあり。
4日目:最高気温21℃、最低気温15℃
雨〜土砂降り(ほとんど自転車での走行はできず)
土砂降りで釧路市街の滞在先から出られず。前日洗濯した。北海道の友達が会いにきてくれたので街に飲みに行く。涼しく雨で湿度が高かったが、ドライで快適に過ごすことができた。
まとめ
気候的には長袖で過ごすにはまだ暑い気温だったけど、汗抜けの良さや肌触りのドライさを実感するにはとても良いテストライドになりました。
袖がリブなんで、暑くなったら袖まくりしやすい。
素材自体が調温してくれる感じと肌触りの良さが化繊と比較すると良いので、長く着ていてもしんどくなりにくい。
また、普段着見たいなシルエットなので、ライド中に飲食店に入っても自然とお店に溶け込めます。
僕は結構これが重要だなと思っていて、特にツーリングは他の人の土地にお邪魔することになるので、できるだけ目立たず、その場所に溶け込めるのが重要だなと。
実際、RAL Shortsとの組み合わせで走っていたので、お店に入って会話の中で「自転車乗りに本州から来た」というくだりになると、格好がカジュアルすぎてびっくりされました。
街へ降りて、そのままご飯行ったりするのにも結構いい感じ。
狙い通り、僕レベルの使い方では、3日以上着続けると気持ち悪さがあるくらいで、あまりデメリットは感じられませんでした。
ただ、カジュアルなゆったりめなシルエットなんで、シリアスな環境で試したらどんな感じなのか?発売後になりますが、その辺りもテストしていきたいと思います。
SIZE
COLOR
Charcoal
Navy
Olive Drab
SPEC
Wool 52% / Polyester 48% (COOLMAX®)
PRICE
¥11,550(TAX IN)