自転車には多くのネジが使われています。
と言うより全ての部品は、ネジで止められていると言っても過言ではありません。
今日はそんなネジについてのお話です。
「ネジが緩む」 これは仕方のないことなのです。
自転車には多くのネジが使われており、走行中は絶えず振動にさらされているのでどんなに気をつけていても緩んでしまう時は緩んでしまうものがネジだったりするのです。
ですので、ネジには各部各サイズにおいて必要なトルク数が設定されていて緩みにくくなるようにされているのです。
緩むまないようにと思い、力一杯締めると今度は締めすぎによりネジが舐めたり部品が壊れたりしてしまうのが悩ましいところです。
先日お話しさせていただいたのも、その一例です。
【PIT TIPS】締め過ぎの代償はいかに?
さて、そんな力加減の難しいネジの取り扱いですが、ネジの固定に緩み止めを塗布すると言うやり方もあります。
こちらで塗布しなくてもメーカーさんにて最初から塗られてくるネジもあります。
例えば、ディスクブレーキを止めるネジなどには、メーカー出荷時からねじ止め剤が塗布されています。
この写真に写るネジのネジ山についている青い部分や赤い部分がねじ止め剤となります。
他にも使用する代表的な部分といえば、スポークのネジ部分。
ここに緩みどめを塗ることによって車輪の健康寿命を延ばすことができます。
(ゴリラスパンで車輪を組み付ける際には、必ず使用しています。)
塗るだけでネジが緩むのを防いでくれるねじ止め剤ですが、何でもかんでも塗れば良いと言うものではなく、ネジのサイズや使用箇所によって使う種類も固定力も変わってきますので適宜選んでいく必要があります。
ピットにもささっと探しただけでこれだけでてきました。
ちなみに、写真の一番左にあるのは、VELOCITY / ヴェロシティー のホイールビルド部門でも使われているThread Sealer。
VELOCITY / Thread Sealer
VELOCITY社が誇るカスタムホイールビルド部門、その名も「Wheel Department」が常用するスレッド・シーラー。 細いスポイト状の差し口とハケの2タイプが好みで使い分けられる便利な容器。低強度の嫌気性接着剤で、ニップルの回り止めに使用します。ホイールビルディングのお供に。
これは特殊なもので、嫌気性接着剤といい、ネジ部(金属同士)の隙間に浸透し、酸素が遮断されると硬化する性質を持つ接着剤になっており、空気に触れている間は硬化しないので、はみ出ても簡単に拭き取れるという優れものなのです。
とても便利なネジ止め剤。
適宜使用して、皆様のメンテライフに役立てみてはいかがでしょうか?
今日は、まずネジ止め剤なんてものがあるということだけでも知って頂ければ幸いです。