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【WOUND UP】蝶のようにふわりと舞い、蜂のように鋭く。- Zephyr Track が待望の再入荷!

KING SPEED 1976年製

久々の再入荷に胸が高鳴る

長らく欠品していた WOUND UP / ワウンド・アップ のフォークがが遂に海を渡ってやってきました。(大変お待たせしました…!!

今回入荷したのは、トラックバイク専用に設計されたZephyr Track / ゼファー・トラックで、その独特な佇まいは細身のスチールフレームとの相性が抜群でバイクの印象を一変させる力を持っています。

待ち望んでいた方にとっては朗報であり、初めて知る方にとっては新たなカスタムの可能性を広げるきっかけになるはず。フォークは見た目だけでなく乗り味に直結する重要な存在。だからこそ、こうした特別な一本が再び手に入る機会は見逃せません。かく言う自分も、フォーク選びに悩んで家に眠っていたバイクにすぐ取り付けてしまったくらいです。

フォークに宿るこだわりと美学

久し振りということもあるので、まずはブランドについて少しばかり紹介をしていきましょう。

WOUND UPは、アメリカ・ユタ州ソルトレイクシティに本拠を置くAdvanced Composites社を親会社にもつブランドです。航空機や宇宙開発向けのカーボンチューブやグラスファイバーなど、高性能素材を製造する同社の類まれな技術は、自転車分野にも応用されており、WOUND UPはその技術を活かしたフォークづくりを行っています。(その技術は社外秘でもあり、過去に工場見学を断られてしまったことも…)

1997年から一貫してアメリカ国内での製造にこだわり、素材選びから成形、そして美しい仕上げに至るまで、すべての工程を自社工場で完結しています。目の届く範囲で、一切の妥協なく品質管理とクラフトマンシップの追求を続けてきたその姿勢こそが、長年にわたり世界中から支持され続ける理由のひとつなのです。

さり気なく「Made in USA」

WOUND UPの最大の特徴は、世界でも数少ないフィラメント・ワウンド・カーボンファイバー(FWCF)を用いた一体成型技術です。
カーボン繊維を巻き上げて成形することで、継ぎ目のない構造を実現しています。

滑らかな表面仕上げの鍛造アルミ製フォーククラウンと、そこから先端へ向かって細く伸びるフォークブレードの組み合わせは、軽量かつ高剛性。 さらに、ホイールから伝わる路面からの振動を程よく吸収する性能も兼ね備えており、精巧なシルエットのフォークを形づくっています。

Zephyr Trackで見るオフセットとトレイルの変化

WOUND UPの豊富なラインナップの中でも「Zephyr Track」は、もともとヴェロドローム競技向けに開発されたトラックバイク専用モデルです。 トラックバイクとは変速機能を持たないシングルスピードの中でも、後輪が動く限りクランクも直結して回り続ける、いわゆる固定ギア(Fixed Gear)仕様のバイクのこと言います。

「Zephyr / ゼファー」とは、ギリシャ神話に登場する西風の神ゼピュロスに由来していて、英語では「穏やかな西風」を意味します。
WOUND UPはこの言葉を“軽快さ・洗練・静かな力強さ”の象徴と捉え、米国公式サイトでは「Ride the western wind(西風に乗れ)」というキャッチコピーを掲げています。

行き交う車や信号のタイミングを読み、街のリズムに身を委ねながらハンドリングとペダリングでスイスイと街を駆け抜ける——そんな、まるで風に乗るようなトラックバイク乗りたちの感覚に真っ向から応えたフォークであることが、ヒシヒシと伝わってきますね。

WOUND UP Zephyr Track Fork 1″ Threaded

カラー (フォーククラウン):Silver, Black
コラムタイプ:1″ (25.4mm) / Threaded, ITA
コラム長:145mm, 180mm
オフセット:35mm
タイヤクリアランス:700c x 28mm
価格:Silver 88,000円 (税込), Black 96,800円 (税込)

バイクの操作感や乗り味に影響を与える要因のひとつに、フォークの「トレイル量」があります。Zephyr Trackでは、このトレイル量に関係する「オフセット」に特徴があり、一見“逆向き”にも見えるフォークエンド見えますが、実はCNC加工によって35mmのオフセット量を実現する特別設計がされています

今回はまず、「オフセット量が小さくなると、ホイールの位置が手前に近づく」というイメージを持ってもらえると分かりやすい思います。

独特な形状のCNC削り出しのドロップエンド

フォークのオフセット値が変化することでトレイル量が増減し、それによりハンドリングや走行時の感覚が大きく変わってきます。

 

オフセットの変化による違い(プラス / マイナスの比較)

オフセット量トレイル量の変化乗り味の傾向
元のフォークよりプラス
例:ALL CITY Big Blockは32mm
トレイル量は減少クイック、反応性重視
元のフォークよりマイナス
例:SURLY Steam Rollerは38mm
トレイル量は増加安定、直進性重視

 

もう少し補足すると、「元のフォークよりオフセットが大きくなる」と「ハンドリングがやや重くなるが、直進する力が強くなり、スプリントや高速巡航時のふらつきが減少」、「元のフォークよりオフセットが小さくなる」と「速度が上がったときにわずかなブレが出やすい反面、ハンドリングが軽くなり、街中でのUターンや細かな操作がしやすくなる」といった感覚になります。

自分のバイクのフォークを変えると数値や乗り味がどうなっていくのか難しいぞ….と頭の中がグルグルしてしまったら迷わず相談しに来てください。走り方の理想のイメージとバイクのスタイルを探って探って近づけて行くのも楽しみ方のひとつですからね。

適合するバイク規格とカスタム提案

ここまでフォークに注目してきましたが、フレームと繋ぎ止める重要な「ヘッドパーツ」も忘れてはなりません。特に規格が多く存在するパーツなので場合によっては、Zephyr Trackをそのままポン付けできないこともあります。

今回は1インチスレッドに加えて、1インチ&1-1/8インチのアヘッド仕様のモデルも入荷しています。競輪フレームであれば基本的には1インチのスレッドタイプとなるので、CHRIS KING GripNut 1″WILDE x CANE CREEK 110 ZN 1″ Threaded Headsetが使えますが、フレーム側に処理が必要な時もあるので純正フォークから変える場合は要注意です。(迷ったらサークルズメカニックスタッフに相談!)

 

自分も乗っている旧モデルのAFFINITY CYLES LoProのような今では希少となった1インチのアヘッドタイプでも、CHRIS KING NoThreadSet 1″やCANE CREEK Fortyがあるので安心ですね。これにどれだけ救われる人が多いことか…涙涙

以前にNITTO ADB-Xが再入荷したときが懐かしい…

 

SURLY Steam RollerやAFFINTY CYCLES Metropolitanなどのクロモリフレームなら現在でも主流の1-1/8インチのアヘッドタイプとなるので、元々のヘッドパーツをそのまま使うことが出来ます。もちろん、フォークを変えるタイミングに心機一転で一緒に交換するのもアリですね。

バイクに新しい表情と走りを与えるカスタムとして、WOUND UPのフォークは非常に魅力的な選択肢のひとつです。 Zephyr Track以外にもVブレーキやディスクブレーキなどロードバイクからグラベルバイクにも対応した様々なモデルが存在しているので、自分だけの一台をさらに深める一歩として選んでみましょう。

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加茂響

「自分の力と気持ち次第で自由に寄り道ができる」ことに気付き、北海道や九州も含めて日本中をロングツーリングしていたことも。 同時に日々街中で楽しめるトラックバイクにものめり込み、アーレーキャット・レースで優勝したことをキッカケにサークルズに仲間入り。 サークルズと姉妹店カルチャークラブでの勤務を経て、CWDとSimWorksスタッフとして日夜ネットワールドの地底深くを根掘り葉掘りリサーチ。
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