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【Circles Tokyo】失われた系譜と、最後の1本。Seven, Sklar… 今出会うべき「一生モノ」のストックリスト

こんにちは、Circles Tokyoの吉本です。

通常、ハンドメイドバイクというものは「待つ時間」さえも楽しむものです。 ビルダーと対話し、ジオメトリーを悩み、塗装が決まるまでの数ヶ月から数年。その時間は確かに尊い。

しかし、もし目の前に「自分のためにあつらえたような」スペックとサイズのフレームが転がっていたら? 長いウェイティングリストを飛び越えて、明日からでも走り出せるとしたら? それは運命ではないでしょうか?

今回は、Circles Tokyoのストックから、アメリカン・ハンドメイドの真髄を感じさせる4本のフレームをご紹介します。 どれも単なる「ストック」ではありません。僕らがこだわりを持ってオーダーした、文脈満載のフレームたちです。

1. SEVEN CYCLES / “The Circle” Axiom Road Racer

まず一発目は、アメリカ・ボストンの巨匠SEVEN CYCLES。 年間2,000本近くのチタンバイクを生産するという、ハンドメイド界でも異常なほどの技術力と組織力を持つ彼ら。

「SEVENといえばチタン」ですが、このフレームはあえての「スチール」。 そこで重要なのが、“SEVENは既にスチールフレームの製造・受注を完全に終了している”という事実です。

つまり、これはもう二度とオーダーできない「ロスト・モデル」。 チタン加工で培った脅威的な精度で溶接されたスチールフレーム。それが新品で手に入る、正真正銘のラストチャンスです。

「円」を描く、純粋なロードレーサー

ベースとなったモデルは、SEVENの不朽の名作ロードレーサー「Axiom」。 それを日本のライダーに向けたジオメトリーで再構築し、SEVENのデザイナーに「Circles(円)」をテーマにカラーをお任せした一本です。

前三角に大胆に描かれた「円」のグラフィックと、絶妙なカラーの切り替え。 そして、今となっては希少な「リムブレーキ」仕様であること。

ディスクブレーキ全盛の今だからこそ、あえて軽量でしなやかなスチール・リムロードに乗る。 過剰な剛性よりも、フレームがウィップする(しなる)感覚と、路面と対話するような軽やかさを求める。そんな「引き算の美学」を知っている玄人好みの構成です。 素材はSEVENオリジナルの「Origin™ Butted Steel」。チタンの魔術師たちが最後に遺した鉄のフレーム。その価値がわかる方に、ぜひ受け継いでほしい一台です。

  • Size: 560 (Top Tube: 560mm / Seat Tube: 490mm)
  • Spec: Rim Brake, 1-1/8″ Head, BSA Threaded BB

2. RETROTEC / 27.5″ FunDuro Twin-Top ATB

カリフォルニア州ナパのレジェンド、カーティス・イングリスが作るRETROTEC。 アメリカの自転車文化の原点である「クルーザースタイル」を、現代のマウンテンバイクスペックで再構築する。この相反する要素の融合こそが彼の真骨頂です。

曲線美と最新規格の同居、あるいは「羊の皮を被った狼」

見てください、トップチューブからシートステーへと流れる美しい曲線(Twin-Top)。 一見するとクラシックなビーチクルーザーに見えますが、中身は現代のトレイルバイクそのもの。

モデル名の「FunDuro」が示す通り、下りを楽しむ要素をしっかりと持ちつつ、実は日本の里山特有の地形に合わせてチューニングされています。 狭く、アップダウンの激しい日本のトレイルを、最高に気持ちよくクルーズできるように。

カーティス自身が走り込んで導き出した「ショートリアバック」と「寝かせ気味のヘッドアングル(67.5°)」。 登りはトラクションがグイグイ掛かり、下りは安定して突っ込める。 「山で遊ぶってこういうことでしょ?」というカーティスの笑い声が聞こえてきそうな、最高にハッピーなATBです。

  • Size: Effective Top Tube 607mm / Seat Tube 410mm
  • Spec: 27.5 x 2.5″ Clearance, 148mm Boost, 44mm Head

3. SKLAR BIKES / 27.5″ MTB (Dusty Grey)

若き天才、アダム・スカラー率いるSKLAR BIKES。 彼の動向を追っている方ならご存知かもしれませんが、現在SKLAR BIKESはブランドの主軸を「プロダクションモデル」へと移行しています。

それに伴い、ハンドメイドのオーダーウィンドウは現在クローズされており、アダム自身が工房でトーチを握ったフレームを手に入れることは、以前より遥かに難しくなってしまいました。

そんな過渡期にある中で、このストックは彼自身の手によって作られたハンドメイドフレーム。 今のブランドの状況を考えると、アダム本人の製作したフレームに出会えるのは、国内でもかなり貴重な機会になるはずです。

日本の里山への最適解

コンセプトは明確。「日本のトレイルで遊び尽くすためのMTB」。 現代の主流である29インチではなく、あえて27.5インチを選択しているのが最大のポイントです。

日本の里山トレイルは、欧米に比べて狭く、ツイスティ(曲がりくねっている)なのが特徴。 ここで活きるのが、27.5インチ特有の「取り回しの良さ」と「反応の速さ」です。 タイヤクリアランスは2.4インチまで確保しているので、エアボリュームで乗り心地を確保しつつ、バイクパッキングしてキャンプに行くもよし、シングルトラックを攻めるもよし。

機能美を追求したポストマウントディスクや、73mmスレッドBBなど手堅い構成。 アダム自身の魂が込められた、質実剛健なトレイルマシンです。

  • Size: Top Tube 596mm (Effective) / Seat Tube 378mm
  • Spec: 27.5 x 2.4″, 148mm Boost, 44mm Head, Post Mount Disc

4. BREAD WINNER / A-ROAD

最後はポートランドの雄、BREAD WINNER CYCLES。 かつてTony PereiraとIra Ryanという二人の実力派ビルダーによって設立されたブランド。

現在はTonyがその舵取りを行なっていますが、設立当初からの「ハードなライディングにも耐えうる、美しく実用的なバイクを作る」という理念は、熟練の職人チームによって完璧に継承されています。

彼らのラインナップの中で、最も汎用性が高く、現代の「RIDE & LIFE」にフィットするのがこの「A-ROAD」です。

境界線を溶かす、真のオールローダー

「A-ROAD」= All Road。その名の通り、道を選びません。 ロードバイクのような軽快な走りを持ちながら、グラベル(砂利道)に突っ込める太めのタイヤクリアランスを確保。

Columbus製の軽量スチールチューブを使い、TIG溶接で美しく組み上げられたフレームは、非常に反応が良く、かつ疲れにくいのが特徴。 カーボンバイクのような「硬質な速さ」ではなく、バネのような反発力で進む「生きた速さ」を感じられます。

「今日はどこへ行こうか?」 そんな迷いすら楽しみに変えてくれる、最高の相棒になるはずです。 週末のロングライドから、毎日の通勤まで。自転車という道具を使い倒したい人にこそ、このBREAD WINNERを選んでほしいですね。 (※詳しいサイズや仕様は、ぜひ店頭でスタッフまでお尋ねください!)

  • Size: Top Tube 530mm (Effective) / Seat Tube 490mm
  • Spec: 700×40cClearance, 142mm , 44mm Head, Flat Mount Disc

「出会い」は一期一会。

ハンドメイドバイクは、スペック表だけでは語れない「体温」のようなものがあります。 ビルダーがどんな景色を見て、どんな想いでトーチを握ったのか。その文脈に乗ることこそが、オーナーになる喜びです。

今日紹介した4台は、それぞれのビルダーの哲学が色濃く反映された、強烈な個性を持つバイクたちです。

もし、サイズが合って、ビビッときてしまったなら。 それはもう、運命だと思って諦めてください(笑)。

詳細はCircles Tokyo店頭、またはお問い合わせにて。 ピットでお待ちしています!

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よっしー
吉本 直史

京都出身でセレクトショップに就職後気がつけば名古屋に。球体の重力には逆らえず気がつけばペダルを漕ぎ、気がつけばお気に入りの服が油にまみれる日々。服・音楽・家具etc色んなことにいっちょ噛みする性格は生まれ持った性分。日々日々散財の生活をしております。
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