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【WILDE】リムブレーキモダンランドナー その名もSpelljammer

WILDE / ワイルド からこの春新しくリリースされる Spelljammer / スペルジャマー というモデルがあります。
すでに本国からもアナウンスされていますが、今現在まさに生産を進めている最中で、生産はこの一度限りとなります。

スペルジャマーを一言で言い表すと、フィレット仕上げを施したリムブレーキのモダンランドナーなんですが、そこには Jeff / ジェフのこだわりがこれでもかと詰まっています。

サークルズにも6月頃に入荷を予定しておりますが、それに先立ち今回はこのバイクのバックボーンに迫っていきたいと思います。

スペルジャマーは、まさに夢を叶えるような自転車です。ジェフたちWILDEの仲間が今の時代でも持っていたいと思えるバイクであえり、かつそれを実現することができる状況だったからこそ生まれることになりました。

ジェフがALL CITY時代に手がけた名作 Space Horse / スペース ホースをご存知でしょうか? 晩年はディスクブレーキモデルとして知られていましたが、実は初期はリムブレーキモデルだったんです。


そして、この分野では象徴的なバイクとも言える SURLY / Cross Check の汎用性、さらに昨今のグラベルカテゴリーの分野からもインスピレーションを得て、クラシックなランドヌールバイクをジェフが現代において独自に解釈した形がこのスペルジャマーです。

 

ランドヌールバイクとは何か?

インターネット上には曖昧な定義が数多く存在しますが、このプロジェクトにあたってのジェフたちの解釈は、
「長距離ライドのためのバイク」であることでした。あらゆる天候下での走行を支える十分な装備を携えつつ、様々な路面状況において効率的に距離を稼げるバイクであること。

そして、歴史的な形式に過度に執着することなく、このジャンルを現代的に捉えたのがスペルジャマーです。
3つのパックマウントや、大型のヘッドセットレンチを携帯する必要がなく六角レンチだけで簡単に調整できるスレッドレスヘッドセットなど、現代的なスペックを備えています。

 

「現代的な解釈」だとするなら、なぜリムブレーキなのか?

WILDEの全てのプロダクションバイクは、各カテゴリーにおける最も厳しいISO規格に基づきテストされています。
テスト合格のためには、ディスクブレーキ搭載バイクはリムブレーキモデルよりも厚み(重量)のあるフォークレッグとチェーンステイを必要とします。

リムブレーキを採用することの恩恵の一つとして軽量チューブの使用が可能となり、それにより柔軟で滑らかな乗り心地を実現しています。WILDEでは既にRamblerRambler SLをはじめとした優れたディスクブレーキモデルをラインナップしていること、
そして何よりジェフ自身がリムブレーキのクラシックな美学を愛し、より追求したいという思いが強いがゆえにリムブレーキで作ることを決心したのです。

 

なぜ、一度きりの生産なのか?

実は、台湾ではこうした大掛かりなフィレット仕上げを美しく仕上げるための繊細な削り加工をできる職人が文字通りたった一人しか残っていなく、
しかもその方は高齢で農業もされており半ば引退寸前の状態の中、今回を最後という条件に引き受けてくれたそうです。

つまり、本当だったら不可能だったフィレット仕上げのフレームのプロダクション化を実現したのがこのスペルジャマーであり、それはジェフがALL CITY時代から台湾の製造現場との繋がりが深いことはもちろん、
なにより彼自身の作りたいという熱意が伝わったからこそ実現したプロジェクトなんだと思います。

ちなみに、フィレット仕上げのフレームは、実はフレームを溶接して形にしていく作業にかかる時間と同じ時間をかけてフィレット部分をヤスリがけしていきます。
この手作業は途方もなく大変なプロセスであり、こういったフィレット仕上げが廃れつつある芸術形態であるのも事実です。

それでもこの美しい仕上げにこだわり、さらにフレームに合わせるためにフォークにはPACENTIの伝統的なPBP(Paris-Brest-Paris)フォーククラウンを採用していることもジェフの譲れなかったこだわりポイント。

プロダクションフレームと考えたとき、このスペルジャマーは正直高価だと思ってしまうかもしれませんが、
このフレームがそれだけ簡単に作れるものではないというのは事実ですし、ものづくりに対して一切妥協したくないというジェフの思いも強く感じます。

 

ドロップアウトの何がそんなに特別なのか?

実はリムブレーキという要素以外にドロップアウトにもこだわりがあります。スペルジャマーに採用しているドロップアウトは、このバイクの系譜に直接由来するものです。

先述した ALL CITY / Space Horseのリムブレーキバージョンは、当時ある種のカルト的なアイコンとなりました。
驚くほど手頃な価格で、優れたハンドリングと滑らかな乗り心地を備えた自転車であり、ALL CITYをより広い層に知らしめた自転車であり、ジェフの自転車業界でのキャリアにおける大きな節目となったのはいうまでもありません。

彼の友人であるアンナ・シュウィンとともにオールシティ在籍時に設計したこのドロップアウトは、セミホリゾンタル形状の利点である、シングルスピード対応・ホイールベース調整機能・フェンダー装着への柔軟性などを全て保持しつつ、クイックリリースを使用した際にもしっかりとホイールを固定できる優れた作りが特徴でした。

そんな彼自身も思い入れがあるドロップアウトの鋳造型をブラッシュアップして今回のスペルジャマーに採用しています。もちろんエンド幅は132.5mmなので、お手持ちの130mmロードハブ・135mmMTBハブどちらも使うことができます。

 

番外編:その名の由来

ALL CITY時代からモデルネーミングにもこだわりやユーモアを持って取り組んできたジェフに今回のスペルジャマーというモデル名の由来も聞いてみました。

ズバリ、その由来は Dungeons and Dragons / ダンジョンズ&ドラゴンズ(以下D&D) というRPGゲームから来ています。
宇宙版D&D(D&D in space)とも呼称される作品の名前の一つで、このゲームの中では魔法の船を使って幻想世界間を自由に飛び回ることができるのですが、まさにその魔法の船のように長距離を自由に走り回れるバイクという想いを込めて名付けたんだとジェフは言います。

 

ジェフがサンプルフレームを用意してくれたので、発売に先駆けていち早く組んでみました。
早速乗ってみましたが、リムブレーキの恩恵もありバイク自体は軽く、スムースな走りが印象的。
他のWILDEのモデル譲りとも言えるやや高めのスタックのおかげで長距離ライドも快適に乗れそうです。
サークルズ店頭で試乗いただけますので、ぜひチェックしに来てください。もちろんご予約も承っております。

Circles Tokyoでも試乗していただける機会を計画しておりますので、またこちらは改めてご案内いたします。

WILDE BICYCLE
Spelljammer Rim Brake Randonneur Frame Set

Color : Oxblood
Size : S, M, L, XL

価格(予価):312,400円(税込)

2026年6月入荷予定

FRAME FEATURE

  • 滑らかなフィレット溶接仕上げ
  • ALL CITYの名作”Space Horse”でも使われたオリジナルデザインのドロップアウトを採用
  • タイヤクリアランス 700c x 45mm
  • ダウンチューブとシートチューブにボトルケージ台座 + ダウンチューブ裏にスリーパック台座を完備
  • フェンダーマウント / ラックマウント付属
  • ポンプペグ付属
  • タフで軽く、操作性が高い、WILDE独自のTLCチュービングを採用

FORK FEATURE

  • PACENTI製のPBPフォーククラウンを採用
  • フェンダーマウント付属
  • フォークエンドにダブルアイレットを装備
  • ミッドブレードアイレット付属
  • スリーパックマウント付属
  • インターナル・ダイナモルーティング
  • フェンダーが綺麗に取り付けられるようにフォーククラウンの裏側に隠れアイレットが付属
  • タイアクリアランス 700c x 45mm

[SPEC]

フレーム素材 :WILDE TLC Chromoly Steel
フレームカラー :Oxblood
ヘッドチューブ :1-1/8″ Straight
ヘッドセット :EC34 / EC34
ブレーキマウント :カンチ・Vブレーキ
BB :BSA (JIS) 68mm Threaded
フォークエンド :100mm QR
リアエンド :132.5mm QR (130mm or 135mm QRハブどちらも使用可)
シートポスト径 :27.2mm
タイヤクリアランス :700c x 45mm

[SIZE / GEOMETRY]

フレームサイズSMLXL
ヘッドチューブアングル (deg.)70.5717272
シートチューブアングル (deg.)7473.573.573.5
ヘッドチューブ長 (mm)135150170190
シートチューブ長 (Center to Top) (mm)492522552572
エフェクティブトップチューブ長 (mm)540555565585
トップチューブアングル(°)8.676.235.89
スタックハイト (mm)561.4577.6600.6619.6
リーチ (mm)379383.9387.1401.5
チェーンステイ長 (mm)438438438445
フォーク (Axle to Crown) (mm)395395395395
レイク (mm)55555555
トレイル (mm)64.761.555.155.1
スタンドオーバー (mm – 700x38cの場合)765.6787.1812.9831.5
ヘッドチューブ・エクステンション (mm)49.4505051
BB ドロップ (mm)72727272
フロントセンター(mm)614.9620.4620.9641.3

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Ikeyama Toyoshige
池山 豊繁

Circles / SimWorks / CWD 学生の頃のメッセンジャー・サークルズでのアルバイトを経て、今に至る。 サークルズスタッフ最年少を公言していたが、今ではニュージェネレーションも加わり古参の存在。 でも身長は最小です(#163cmですがなにか)。 CXレース経験もありますが、今はのんびり瀬戸のグラベルを走ったりするのが専らで、過去の面影はどこへやら。自転車で釣り場にアプローチするBikeToFishingのスタイル研究にも余念がない。
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