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【Circles Tokyo】僕たちがSKLARに乗る理由

こんにちは、Circles Tokyoの吉本です。

冷たい風の中にも、ふと春の匂いを感じる季節になってきましたね。さて、Circles / Circles Tokyoのピットでは、SKLAR BIKESのバイクを数多く見ることができます。 僕が乗る “Super Something”。 そして、シゲさんが乗る “PBJ” と、もう一台所有している “Custom Handmade Sklar”



僕たちはメカニックやディレクターとして日々多くのバイクに触れていますが、なぜプライベートな相棒としてSKLARを選び、乗り続けているのか?

ビルダーである Adam Sklar / アダム スカラー とのやりとりの中で見えてきた「設計思想」と「哲学」を肴に、シゲさんと改めてその魅力について語り合ってみました。

作り手の「論理」と、乗り手の「実感」。 その答え合わせの記録です。

2017年のNAHBSにて(シゲ撮影)
吉本

シゲさんがアダムと出会ったのは2017年のNAHBSでしたよね?この年の回顧ブログの中で「これから長い付き合いになると思う」と書いてますがまさにそうなってますよね。
シゲさんからみたSKLARの魅力って単刀直入になんでしょう?

シゲ

当時、若干24歳にしてビルダーとして頭角を表したのはとてもセンセーショナルでした。

独特なラウンドトップチューブや美しくベンドしたシートステーといったフレームデザインはもちろん目を惹いたのだけれど、ブースにはショーの前にモアブでトレイルライドをしてきた土まみれになったバイクも展示されていて、一発で自分の心を鷲掴みされたのを覚えています。

若いながらに、『何がクールなのか』を自分の中にしっかりと持ってるなと思ったのが印象的でした。

MTBルーツと、偉大なる師匠たち

吉本

昨年のアダムの来日をきっかけにして、その後もメールで聞ききれなかったことを聞くことができたんですよ!
ぜひその内容を発信できればとこのブログにつながるわけです。

その中で面白かったのが、彼のバックグラウンドの話なんですよ。彼、ボーズマンで工学を学びながら、あの Carl Strongに師事してたんですね。70-80年代のMTB黎明期を知るTom Jungstにも教わっていたらしくて。だから彼のバイク作りは、基本的に「MTB」がベースになっていっていますよね。

“My geometry is often influenced by my background in mountain biking. … I focus on dirt-specific bikes.”
(僕のジオメトリーはMTBのバックグラウンドに強く影響を受けている。僕はダートに特化したバイクにフォーカスしているんだ)

シゲ

コロラド生まれで、モンタナ・ボースマンでフレームビルダーとしてのキャリアを始めたっていうのもあって、彼のバックボーンにはMTBがやっぱり色濃くあると思います。

そして、彼がビルダーとして名を轟かせたタイミングはまさにグラベルバイクの大きな波が押し寄せ始めるタイミングだっただけに、当時彼がグラベル + MTBオンリーのカスタムフレームという形で土臭いバイクにだけフォーカスして製作するっていうスタンスも上手なやり方だったなと思います。

そこで本当にたくさんのカスタムオーダーを作ってきた経験が、今のプロダクションモデルにも大きな影を落としているんですが、やっぱりMTBというバックボーンは強く感じますね。

「腰で舵を取る」という感覚

吉本

アダムの作るバイクの特徴としてチェーンステーの短さを個人的には感じています。グラベルバイクというジャンルのバイクはたくさんありますが、この部分がSKLARならではの乗り味を大きく決めている要素ではと思っています。

そこでアダムに短いチェーンステーの意図を聞いてみたんです。帰ってきた言葉は「I am a short chainstay guy!」でした。笑

SKLARの特徴と言ってもいい「長めのフロントセンター」に対して「詰めたリアセンター」がいいのだと。この意図について聞いたら、「Steer with hips」のためだ、って言うんです。

“I am a short chainstay guy. My background in MTB has led me to like a longer front center on my bikes and to balance that out a short chainstay is really nice. It helps you steer with your hips and makes the bike feel more responsive. I prefer it for most applications.”
(私はショートチェーンステー派です。MTBの経験から、バイクのフロントセンターが長めのものを好む傾向があり、そのバランスを取るためにショートチェーンステーは本当に便利です。腰で操舵しやすくなり、バイクのレスポンスが向上します。ほとんどの用途でショートチェーンステーを好んでいます。)

シゲ

確かにそうかもね。 SKLARのバイクには、ハンドルをこじって曲がるんじゃなくて、体重をスッと入れた時にお尻の下でバイクがクルッと回ってくれる感覚がある。

吉本

まさにそれです。フロントを長くして「直進安定性」を確保しつつ、リアを詰めて「振り回せる楽しさ」を残す。この「動と静のコントラスト」が、アダムが意図した設計だったんですよね。

シゲ

ハンドメイドのSKLARに乗ってても思うけど、彼は「自転車で遊ぶこと」を大事にしていると思う。ただ速く移動するだけじゃなくて、トレイルの脇にあるちょっとしたバンクで跳ねたくなるような。そういう「子供の頃の自転車の楽しさ」みたいなのが、設計の段階で組み込まれてるなぁと思う。

人生の残りの時間を共に過ごすことができる相棒として

吉本

最後にアダムは、フレームを「人生の残りの時間を共に過ごす相棒」だと言っていました。 一つのスタイルに固執するんじゃなくて、乗り手の変化に合わせて、シングルにしたり、ギアを付けたり、ハンドルを変えたりできる余白をもっていること。

“I don’t think it is cool to own a ton of bikes, just a few really nice ones that can serve you well for a long time.”
(大量の自転車を所有することがクールだとは思わない。本当に良い数台を、長く愛用することこそがクールだ)

シゲ

自転車屋の僕らが言うのもなんだけど、それは真理だよね(笑)。 僕もハンドメイドのSKLARはずっと手元にあって、その時々の気分で組み替えて乗ってる。Super Somethingもそうだけど、SKLARのバイクって「懐が深い」なぁと思う。ガチで走ってもいいし、のんびり流してもいい。

ライフスタイルの変化に沿って、自転車との付き合い方って変わるものだと思うけど、特に彼の作るSuper SomethingやPBJなんかは、道具としての楽しさをしっかり持ちながらも、そうした変化に追従できる懐の深さも併せ持ってる。そんなバイクだなと思います。

吉本

まさに。Super Somethingに採用されているスライディングドロップアウトや、懐の深いタイヤクリアランス設計って、単なる多機能じゃないんですよね。それはアダムが僕らに用意してくれた余白なんだと思います。

シングルスピードでストイックに縛りプレイを楽しむ時期があってもいいし、フルフェンダーとラックを付けて日々の生活の足として使い倒す時期があってもいい。その時々の自分のマインドセットに合わせて、パーツを組み替えながら寄り添ってくれる。

僕が昔アパレルにいた頃に扱っていた、着込むほどに体に馴染む極上のレザージャケットや、ずっとワードローブに残るヴィンテージデニムの感覚に近いなと思います。

機能の向こう側にある豊かさへ

アダム・スカラーという若きビルダーの背景にある、泥臭いMTBカルチャーの文脈。そして、偉大な先人たちから受け継いだ確かな工学のロジック。それらが「ショートチェーンステー」や「長めのフロントセンター」という具体的な数値や構造となって、僕らの手元に届いています。

でも、僕らがSKLARのバイクを愛してやまない本当の理由は、その機能の向こう側にあるんです。

トレンドという名の目まぐるしい消費ゲームから降りて、自分の生活を、自分のペースで積み上げていくこと。「壊れたら乗り換える」ではなく、直して、組み替えて、使い続けるという感覚。

例えば、このSKLARを手に入れたとして、あなたの10年後の景色はどうなっているでしょうか。 ピカピカだったフレームには、あちこちの林道やキャンプツーリングでついた傷が誇らしく刻まれているかもしれません。

あるいは、ライフスタイルの変化に合わせて、最初はドロップハンドルでアクティブに走っていたものが、ゆったりとしたプロムナードバーに変わって、フロントには大きなバスケットが付いているかもしれません。

SKLARのバイクは、ただの移動手段ではありません。 日常の移動をちょっとした冒険に変える、そんな人生を豊かにするためのツールです。

時には「愛すべき無駄」を楽しみながら、速さや効率だけじゃない、あなただけの豊かさをこのフレームに描いてみませんか?

Circles / Circles Tokyo 両店舗には各車体の試乗車もご用意しております。アダムの言う「腰で舵を取る」感覚や、作り手の体温が宿る鉄の質感を、ぜひお店で直接触れて、感じてみてください。

どんな風にあなたのライフスタイルに接続させるか。ぜひ一緒にお話ができればと思っております。それでは、Circles Tokyoでお待ちしています!

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よっしー
吉本 直史

京都出身でセレクトショップに就職後気がつけば名古屋に。球体の重力には逆らえず気がつけばペダルを漕ぎ、気がつけばお気に入りの服が油にまみれる日々。服・音楽・家具etc色んなことにいっちょ噛みする性格は生まれ持った性分。日々日々散財の生活をしております。
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