OMNIUMのカーゴバイクには、これまでCargo、Mini-Max、Miniという3つの柱がありました。どれもユーザーのライフスタイルに合わせて、積載性能と走行性能を高い次元で両立した、実用性の高いカーゴバイクです。特にMini-Maxは、国内の販売においても最も多くの方に選ばれてきたモデルです。
そこに今回、新しい一台、OMNIUM NANO が加わりました。

OMNIUMはコペンハーゲン発のブランドですが、そのルーツにはメッセンジャーカルチャーがあります。創業者のJimmiは今もなお毎週水曜日にコペンハーゲンの街でメッセンジャーとして走っています。タフで、実用的で、毎日走り続けられる。メッセンジャーが仕事の中で培ってきたその感覚が、OMNIUMのものづくりに直接つながっています。

NANOも例外ではありません。最初のプロトタイプが完成するやいなや、OMNIUMチームはそのままCMWC 2025 Sydneyへと持ち込みました。CMWCは毎年世界のどこかの一都市で開催される、バイクメッセンジャーの世界選手権です。結果は見事カーゴバイク部門で優勝。プロトタイプでの出場、そして表彰台。NANOがどういう自転車として設計されているかを、これ以上ない形で証明した瞬間だったと思います。

CMWCのメインレースは、数時間にわたる「仕事のシミュレーション」です。いかに多くの荷物を効率的にデリバリーするか、ルート選択と判断力がものを言う競技で、単純な脚力や持久力を競うのとは異なる種目です。速さよりも機動性と判断力が問われる、そんなレースとNANOの特性がぴったりはまった結果でした。実戦フィールドで鍛えてからリリースする、OMNIUMらしい開発姿勢だと思います。
僕自身、かつてメッセンジャーとして約10年、街を走ってきました。CMWCには2006 Sydney、2009 Tokyo(10位)、2023 Yokohama(21位)と3度出場しました。
最適なルートを瞬時に判断する感覚、荷物の重さと自転車の挙動を身体で読む感覚。そういった経験の積み重ねが、バイクの良し悪しを判断する目を育ててくれたと今でも思っています。だからこそ、メッセンジャーカルチャーから生まれたNANOのような一台に出会うたびに、少し血が騒ぎます。
前後20インチ、全長約1.5m

NANOの最も目を引く特徴は、前後ともに20インチ(406)ホイールを採用したことです。OMNIUMの既存モデルがいずれも前輪20インチ+後輪700cという構成を採るなか、NANOは前後ともに小径。結果として全長が約1,498mmに収まり、ラインナップ中で最もコンパクトな車体になっています。
数字だけ見ると分かりにくいかもしれませんが、実際の印象としては「カーゴバイクってこんなに小さいの?」というのが、実物を見た時の第一印象に近いと思います。街の一般的な駐輪場にもすんなり収まり、マンションのエレベーターへの持ち込みも現実的なサイズです。


以前ブログ #カーゴバイクのある暮らし で、カーゴバイクの駐輪問題について書きました。マンションの共用スペースに停める難しさ、公共の駐輪ラックとのサイズ不一致、室内保管のハードル。それはMini-Maxをメインで使ってきた自分自身のリアルな悩みでもありました。
NANOはその問いに対する、OMNIUMなりの一つの答えだと思っています。コンパクトな車体は、日常のあらゆる場面でじわじわと効いてきます。停める、運ぶ、しまう。カーゴバイクを持つことへの心理的なハードルが、NANOによって少し下がる気がしています。



小さいけれど、走れて、積める
20インチホイールはトップスピードこそ700cに劣りますが、加速の立ち上がりが鋭く、信号の多い市街地では扱いやすい。ショートホイールベースと合わさって、ハンドリングの反応が素直で、混雑した道でもストレスなく動ける感覚があります。
そして小さいからといって、積めないわけではありません。フロントラックの最大積載は40kg、ライダー込みの総重量は125kg。CargoやMini-Maxと同等のスペックです。ラック寸法は400×500mmで、ウェビングを使った積載や、今後展開予定のNano専用アクセサリーにも対応していきます。
カーゴバイクは「荷物を積んで走るもの」ですが、荷物を積んでいない時でも楽しく走れる、というのは日常使いにおいて、大切な要素だと思います。OMNIUMがこのサイズで、この積載を実現しているのは、CargoやMini-Maxで積み上げてきた設計の蓄積があってのことです。

アクセサリーについて
NANOには専用アクセサリーも用意されています。
Nano専用アクセサリーとして、キックスタンド、ウェビング、マッドガード、エクステンダーバーが展開されます。特にエクステンダーバーはラックの積載面積を拡張できるNANO固有のパーツで、コンパクトな車体のさらなる可能性を広げてくれます。
そして今回のトピックのひとつが、チルトブラケットへの対応です。駐輪時にフロントラックを畳み、車幅を半分ほどに抑えられるこのパーツが、NANOでも使えるようになりました。ただでさえコンパクトなNANOが、さらに小さくなって収まる。マンションの共用駐輪場や、狭い玄関への保管を考えている方には、ぜひ組み合わせて使ってほしいアクセサリーです。


NANOは「カーゴバイクの新しい入口」になるかもしれないモデルだと思っています。これまでサイズや置き場所の問題で踏み出せなかった方にも、ぜひ一度見ていただけたら嬉しいです。
カーゴバイクを持つと、生活の解像度が少し上がる気がしています。買い物の帰り道、子どもとの寄り道、ちょっと遠い公園への道。自転車でできることの範囲が広がると、街の見え方も変わってきます。NANOは、そんな暮らしへの入口として、これまでで一番間口の広い一台かもしれません。
サイズ感は、写真や数字ではなかなか伝わりません。
Circlesでは、すでに店頭に試乗車の準備ができていますので、実際のサイズ感は、ぜひ店頭でまたがって体感してみてください。

OMNIUM Nano
フレーム: ダブルバテッド クロモリスチール(1サイズ展開)
対応身長: 160〜190cm
ホイール: 前後20インチ(etrto 406)
タイヤクリアランス: 前後55mm(フェンダー装着時)
ドライブトレイン: 1xギアード・シングルスピード・内装ギアに対応(ロッカードロップアウト採用)
フロントラック積載:最大40kg
ライダー込み総積載:最大125kg
カラー: Bottle Green / Pastel Pink(2色展開)
フレームセット:¥231,000(税込)
完成車(ダイナモハブ仕様):¥484,000円(税込)
その他、気になる点などなどございましたらお気軽にお問い合わせください!