Words by Izuru Shimasaki from Daisy Messenger
自転車はドイツ語では fahrrad で中性名詞、スペイン語では bicicleta、こちらは男性名詞です。フランス語では velo が男性名詞で bicyclette が女性名詞。と、日本語では名詞を性別で分けることがないものですからその感覚にはなじみがないですね。そしてこれはただ文法上の問題であって、男性名詞だから男性的、女性名詞だから女性的なものを表すというものではないそうです。
ママチャリは口語的にシティサイクルを表す、私たち日本人には馴染み深い言葉ですが、こちらは自転車を表すチャリンコという話し言葉に、象徴的にママという存在を冠した造語です。実際には子どもにとっての母親であるママだけではなく、パパも独身の人も、子どもや高齢の方もみんなこのママチャリに乗っています。
しかし、ママという言葉を付けることによって自転車は女性的なものだよと言われているような気にもなります。女性的なもの、男性的なもの、それ自体は優劣を表すものではなくむしろそれぞれ歓迎されるものですが、現在の道路交通の状況について考えた時、ママチャリは車道を走るべきではないと言ったような、何か家父長制的な考え方でもってクルマとクルマ以外の存在を分けているように感じるのは少々うがった見方が過ぎるでしょうか?
狭い街中でも活躍する OMNIUM Mini
Daisy’s Grocery のいづみさんは新しい自転車を OMNIUM / オムニウム の Mini にしました。
OMNIUM のカーゴバイクの中では一番小柄な Mini。とはいえ、 40cm x 42cm のフロントラックは喫茶営業の買い出し分を入れた ORTLIEB のラックバッグを余裕を持って載せることができます。また XS サイズで自転車の全長が 162cm です。これは 26 インチのママチャリと同じか、少し小さいぐらいになりますので買い物先の駐輪場や家の共用駐輪スペースにもストレスなく駐輪できます。
革命的な OMNIUM のフレーム設計
カーゴバイクを買わずとも、すでに持っている自転車にバスケットやラックを付けたり、カーゴフォークなどでカーゴバイク化する方法も今はあります。ではそうした大きなバスケットを取り付けた自転車やカーゴフォークとの違いはなんでしょう。
最も重要な違いは荷台部分がフレームの一部になっていること。
OMNIUM の他のカーゴバイクと同じくダウンチューブから突き出た大口径フレームの上に軽量なアルミニウム製ラックが取り付けてあります。こうすることによってハンドルなどのステアリングに荷物の重さが影響しなくなります。この効果は絶大で、ライド時だけでなく自転車を押して歩くときにも荷物の重さでハンドルがとられることがありません。
また、今回は 1.75″ 幅にしましたが、最大でフロント 20×2.15″、リア 29×2.00″ タイヤの安定感と走破性が 55㎜ のタイヤクリアランスによって可能になっています。太いタイヤを履かせるために MTB ベースの 26 インチがスタンダードだったこれまでのカーゴバイクのカテゴリーですが、700c 径がベースの OMNIUM の登場によって一気にモダンに、よりファストな自転車カテゴリーになりました。
シングルスピードも可能にするアジャスタブル・ロッカードロップアウトはインサートを変えることによって 142 x 12mm Thru Axle もしくは 135 x 10mm QR が選択可能です。いづみさんはチェーンや変速トラブルの少ない内装変速のハブ、 SHIMANO Alfine のディスクブレーキ用ハブを用いて組み立てています。チェーンラインが一定なので安心して踏み込むことができて、信号待ちで足を止めているときにも変速を動かすことができます。
カーゴバイクで社会が変わる
このように細部までなかなかに革命的な OMNIUM のカーゴバイクですが、その答えはいづみさんの言葉に集約されていると思います。
「(荷物を載せても)軽い!(そんなに飛ばさないけど)速い!(一番重要)可愛い!!!」
またこうも言います。
「こんなに良い自転車の選択肢があるのに、ママチャリと走りにくい歩道(本来走るべきではない)の中に私たちを閉じ込めないでほしい!」
女性の交通社会への進出と、それにもろ手をあげて歓迎する社会作りが、ジェンダーギャップ指数が 148位(2024年版、特に政治と経済分野は最低レベル)の日本には必要です!
プレオーダー受付中
現在、OMNIUMの2nd プレオーダーを受付中。今回はチタンフレームのモデルがオーダーいただけますが、もちろん通常のスチールフレームモデルもオーダーを受け付けております。
詳しくは下記のブログ、またプレオーダーページをご確認ください。