美しいビーチとダークツーリズム-飛行機輪行で五島列島へ

良くも悪くも旅慣れてきたのかもしれない。
以前は少なからずあった、「さあ!旅にでるぞ!全て見て食べて体験するぞ!」という気負いのようなものが減ってきた。旅行やライドが特別なものではなく、日常の延長になってきた感じがする。

新型コロナの影響もある。今回の目的地である長崎県は緊急事態宣言などは出ていなかったが、ほとんどの観光地は閉まっていて、飲食店も営業自粛中だった。さらに今回は天気予報も悪く、日程のほとんどが雨予報だった。

そんな状況で楽しめるのか?と自問自答した結果、旅はこういう風に楽しまないといけない、とか、行程計画通り進めないといけない、という枠組みからも少し開放され、交流は控え一人で黙々と走ること、雨なら無理しないこと、ダメなら引き返そうかーというぐらいの意識で出発した。

五島列島ってどこ?

多くの島々からなる長崎県。長崎港から約100kmの沖合にある島々のまとまりが五島列島と呼ばれている。沖縄などの南西諸島と同じ東シナ海にあり、美しいビーチと五島うどんや五島牛などのグルメや海鮮などが有名であるにも関わらず、過度に観光地化していなくて素朴な田舎の風景が広がる。

むかし軍艦島に行った際に滞在した長崎は街の雰囲気がとてもオープンで瀟洒な印象があった。それは江戸時代から海外に開かれていた唯一の街という歴史背景が影響している。そしてまた当時最先端だったヨーロッパとの交流が盛んだった土地はキリスト教を巡る数奇な歴史とも関連している。

歴史の授業では踏み絵や島原の乱などを少し習った程度だが、子供に教える事のできないようなひどい弾圧で多くの殉教者が出たのはもちろん、人の信心を折るために強烈な迫害が繰り返されてきた。そして数世代に渡って続いた隠れた信仰は本来のキリスト教の教えとはかけ離れていく。現在ではそれらをまとめて「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」として世界遺産に認定されている。五島列島は迫害されて移り住んできた多くの隠れキリシタン達が暮らした場所でもある。

美しいビーチリゾートといわゆるダークツーリズムの鮮烈な対比が印象的で、五島に行ってみたいという思いがずっとあった。

FDAで飛んで夜行フェリーに乗る

名古屋市の北区に引越したので、FDAが就航する名古屋空港がさらに近くなった。家から自転車で20分ほどで到着し、無料で貸してくれる輪行ボックスに自転車を入れるまでで30分。旅が身近になるわけだ。

FDAでの名古屋-福岡便の運賃は予約時期によって違うが、だいたい片道11,000~17,000円ほど。新幹線より安い価格で約半分の時間で行く事ができる。

五島に渡るにはいくつか方法があるが、自転車の持込みを考えると大型フェリーしかない。行きは博多港発の夜行フェリーに乗った。23時過ぎに出港し、五島の島々を経由しながら約8時間かけて福江島に到着する。運賃は自転車代含め6,290円。夜行は宿代も時間も節約できておすすめ。

博多は空港も港も繁華街から近く、どちらも自転車で15分ほどで行く事ができる。五島の他にも壱岐や対馬、韓国の釜山などへ行くフェリーに乗り継ぎができるので、博多乗り継ぎ空と海の輪行は他にも可能性が広がりそうだ。

五島列島の福江島を走ってみよう

五島列島で最も大きい主要な島が福江島である。自転車で1周すると150kmぐらいで、内陸をショートカットする事もできる。島のあちこちに少しずつ性格の違う白砂のビーチやキャンプ場や温泉がある。

これも今までの旅の方法と大きく違うのだけど、初めてツアーガイドをつけてみようと思っていた。結局雨で中止になってしまったけど、五島では日本語ペラペラアメリカ人のウィル( @will.l17123 )が自転車ガイドをやっているので、また次回に利用してみたい。

雨の合間を縫って島を走ったり鬼岳という火山を歩いたりした。特に印象的だったのは島の北西部にあるエンジロードと呼ばれる海岸線の道。その終端には空海が遣唐使の舟で中国に渡る際に残した「辞本涯」つまり”日本の最果ての地を辞する(去る)”という意味の石碑が立っている。そこから望む海の先にはもう日本の領土は無く、最果てまで来た感慨が強く残った。

また、そこへ至る海沿いの道にはキリスト教のお墓も並んでいて、隠れキリシタン迫害の歴史を題材にした遠藤周作の「沈黙」に出てくるパードレ(司祭)の喉の渇きを思ってしまうのだった。

雨ならばパソコンを触ろう

台風接近からの前線停滞でずっと雨予報だった今回のライド。レーダーでは次々に赤い豪雨エリアが近づいて来ていたので、予定していたテント泊は1泊だけにして、宿にも宿泊し、雨の時間帯はそのロビーにあるコワーキングスペースで仕事をしたりした。

福江の港に近いこのセレンディップホテルは島内で唯一のコワーキングスペースで、他にもテレワークやワーケーション、移住組であろう人たちがPCを広げていたり、高校生が自習していたりした。コロナじゃなければ話かけたかったなあ。

食べた料理はどれも美味しかった。特に いけす割烹 心誠 さんの料理が印象に残っている。

ロードバイクのバイクパッキング

最近はロードバイクのバイクパッキングが個人的に流行っている。耐パンク性能の高いSimWorksのVolummy28cタイヤであれば多少のグラベルもそのまま走る事ができるし、食事をアウトソースすればパニアやラックも不要になる。長距離を移動するにはやはりCXやMTBよりロードが良いと感じる。
島を一周したキャンプライドの装備は以下のような感じ。

キャンプ装備

  • Outdoor Research の ヘリウムビビィ 510g
  • 山と道のMinimalist Pad 41g
  • mont-bellのシルクシーツ 190g
  • CARRY THE SUNのソーラーライト 86g

ウェア装備

  • monokusa racingのタンクトップ
  • 山と道の5-Pocket shorts
  • 山と道のUL Rain Hoody
  • Welldone の メッシュジェットキャップ
  • ショーツとタンクトップの着替え一式

バッグ類

  • Porcelain Rocketのカスタムフレームバッグ
  • Porcelain RocketのMr.Fusion Mini (サドルバッグ)
  • Porcelain Rocketの Nigel (フロントバッグ)
  • HUNTER CYCLES の Shred Packs (ウエストバッグ)
  • SimWorks Art Collective のT.A.F.U.ボトル

その他持ち物

  • バッテリーとケーブル 218g
  • パンク修理キット 257g
  • SILCA のポンプ 150g
  • エマージェンシーキット 137g
  • カメラ 1577g
  • カメラの防水カバー 93g
  • iPhone 281g
  • MINIMALIGHT 財布 102g

最後はテント泊中にゴロゴロという稲光に叩き起こされ、雨からの夜逃げでまだ開いてないフェリー乗り場に駆け込んだ。

浮世の由無し事を一切忘れて旅に没頭するのも良い。でもそれが難しい時は、日常と非日常を器用に行き来するのもまた旅のひとつのカタチに違いない。新型コロナ厳戒下でも日常は続いていく。また色々と落ち着いたら、美しいビーチを楽しみに戻ってきたい。

もんじゃ
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