遠い遠い昔になっちゃいましたが、前回のエントリでペダルのサイズについてご紹介しましたが(覚えていらっしゃいますか・・・?)今回はもっと地面に近いパーツ「タイヤ」についての話をしようと思います。
ここ数年でロードバイクやMTBというジャンルの垣根が曖昧になり、グラベルバイクやオールロードといった中間に位置するのバイクコンセプトが生まれ、フレームのタイヤキャパシティが増大し、それに合わせて様々なサイズが展開されるようになったタイヤ。
タイヤプロファイル自体の展開も増えましたが、昨今タイヤの革新によって、タイヤを変えるだけで乗り心地が圧倒的に変わるようになりました。極端な話、同じようなコンセプトのバイクであれば、フレームを変えるよりもタイヤを変えたほうが乗り心地が大幅に変わるような時代になっています。
また、ディスクブレーキが主流になったことで、700cと650bの両方が使えるバイクも増えました。これは車輪径の異なるホイールサイズを所有することで、用途に合わせてバイクの性格を変えることができるということを意味します。
この2点を合わせると、1台のフレームで用途とフィールド、乗り心地のニーズに合わせていろいろな選択肢を検討できるということであり、工夫次第でお手持ちのフレームをより使い切ることができるという、乗り手のアイディアが否が応でも求められる、なんともまあ楽しい時代になったものです。(そして工夫を凝らせれば、あまりお金をかけずにめちゃくちゃ遊べるということでもありますよね。)
自分のバイクには何mmまでのタイヤが入るか知ってますか?
せっかくならバイクのキャパシティを最大限に利用して自分の乗り方に合わせてタイヤ選びも楽しみたいところ。
自分のバイクに入るサイズはしっかり把握できてますか?
タイヤのサイズはフレームとリム次第!
使用できるタイヤサイズを決めるのはこの2つの要素です。
- フレーム/フォークのクリアランス
- リムの幅
まずはフレームがどのタイヤサイズまで対応しているか確認してみましょう。
まずはバイクメーカーのホームページやカタログに記載されている許容サイズを確認しましょう!
メーカーオフィシャル情報は絶対です。記載数値以外のタイヤを使うと不具合が起きても文句は言えません。
・・・というのは建前の話で、タイヤクリアランスギリギリで収まっているバイクはやっぱりかっこいい。
そういうのがやっぱりわかってんな〜〜。と思うブランドといえば、Crust Bikes。かなりギリギリの数値を掲載しています。実際メーカーによってどれぐらい安全マージンを取っているかはバラバラなんです。
実際スタッフのキムラさんの Doppo ATBなんかは、SimWorksの公称最大クリアランスを越えている Super Yummy がブッ込まれてたりしてめちゃくちゃかっこいい。
オウンリスクで色々遊べるのが自転車のいいところですし、あなたがお持ちの自転車をハックする仕方に気づいてしまったら、それはもう自由への道。自分の発想とアイディアで量産型のフレームですら正真正銘、あなただけのバイクになっていきます。
裏技なんですが、ワイヤリングとかを工夫すれば入る場合もあるし、これは現場合わせでやってみるしかないんですよね。
許容サイズについて記載が無い場合や、中古などで不明の場合もあります。そんな時は僕らのようなバイクショップの出番です。メールやチャットでのご質問ですと、お答えできる範囲がどうしても限られてしまいますので、ぜひ車体をお持ち込みの上、ご相談ください。全力で可能性について語り合いましょう。
1、フレームクリアランスの実測
とはいえ、僕らがそのタイヤが入るかどうか、見ている視点をご紹介します。
タイヤインストールのために計測する場所はフォーク、チェーンステー、シートステーの3箇所。
定規やメジャーなど(ノギスがあるとベター)長さを測れるものでフレームの内幅を実測します。
続いてタイヤの頂点からフレームまでの距離も計測します。横幅がクリアできていても縦が当たってしまうと取り付けできませんからね。
ちなみに650 x 47bと43bでは10mmほど差がありますので、大幅なサイズ変更の際はチェックを忘れずに!
実測すると各メーカーがどれぐらいタイヤクリアランスに余裕を持たせているかわかると思います。
これは泥詰まりやホイールが振れても当たらないようにするための余白です。フレームやフォーク幅ギリギリのタイヤを入れてしまうと、タイヤが擦ってしまう場面が増えて危険性が増します。
その辺のメリット/デメリットを把握した上でいろいろなご相談ができればと思います。
2、700 x 43cのタイヤは本当に幅43mmか?
43cや2.2インチというのは空気を入れた際のタイヤ幅を指しますが、必ずしも表記サイズと実測値が同じとは限りません。
空気圧やリムとの組み合わせで太さが変わってきますし。ゴム製品のため製造時にどうしても個体差が発生します。
完全に同じサイズにすることが難しく、リムとの組み合わせも多数存在するのであんまりギリギリまで太いタイヤを使うとフレームに干渉して塗装が剥がれてしまう可能性もありますのでご注意を。
そして忘れがちなチューブもサイズ展開があります。タイヤを交換する際はチューブのチェックも忘れずに。
3、リムの幅の確認
こちらもまずはWebにて公式の適正なサイズを確認しましょう。
欲しい情報は画像にあるリムの内幅。(21mmと表記のある方です。)
例えば VELOCITY/ ベロシティ は各モデルの適正タイヤサイズを一覧で出しており、ぱっと見でどの太さのタイヤが使えるかわかります。
細すぎるタイヤを取り付けるとビードが上がり切らずタイヤがうねってしまったり、太すぎるとコーナー時にタイヤがよれてバランスを崩す恐れがあります。
なるべく安全に、楽しく自転車に乗るためにリム幅にあったタイヤをしっかり選びたいところです。
ホイールメーカーの中には適正サイズを表記していないところもありますので、その時はこのVELOCITYの表を参考にしてみてはいかがでしょうか。(あくまで参考ですので心配な方はぜひ僕たちスタッフまでご相談ください。)
現代のタイヤは走りの変化を感じやすいパーツです。
いつもの道に変化を感じて楽しんだり、より自分に合ったバイクを目指すのにピッタリなパーツであるタイヤを変えて自転車をより楽しんでいきましょう!